21勝24敗の5位で交流戦に突入したロッテ

 ロッテは交流戦前最後のカードとなったオリックス3連戦を1勝2敗で負け越し、21勝24敗の5位で交流戦に突入した。

 5月の戦いぶりを振り返ると、本拠地・ZOZOマリンで1日から行われた福岡ソフトバンクとの3連戦に3連敗を喫するなど、5月最初の7試合は1勝6敗。その間のチーム打率は.189、18得点、チーム防御率は4.95と投打が噛み合わず、4月の勢いを完全に失った。

 この流れを変えたのがリードオフマン・荻野貴司選手、故障で出遅れた角中勝也選手、新助っ人のドミンゲス選手の3人。11日の埼玉西武戦で新外国人のドミンゲスが第1号3ラン、この日に1軍復帰した角中が4番で出場し2回の打席で犠飛、試合前まで5月の月間打率.067と絶不調に喘いでいた荻野が2安打の活躍を見せ、今季最多の12得点を奪い大勝した。

 翌12日も今季最多の16安打を放ち11得点を挙げ、2015年5月9日、10日に行われたQVCマリンでの埼玉西武戦以来となる2試合連続2ケタ得点を挙げる猛攻で勝利した。

1番・荻野の復活がチームに勢いを与えソフトバンクを3タテ

 3連敗で迎えた18日からの福岡ソフトバンク3連戦(ZOZOマリン)は、2013年5月4日〜6日以来5年ぶりに福岡ソフトバンク戦同一カード3連勝。特にこの3連戦では、1番の荻野が全て初回の第1打席に出塁し、3試合とも初回に得点を挙げ、チームに勢いを与えた。

 チャンスメイクするだけでなく、19日の2戦目は4回無死二、三塁の場面で、内野の守備位置が深いと見るや、セーフティバントを試み、福岡ソフトバンクの一塁・福田秀平の悪送球を誘い2者が生還した。

 5月は1勝6敗で始まったが、そのときの荻野の成績は30打数2安打、打率.067、3連勝した福岡ソフトバンク戦では12打数7安打、打率.583。ちなみに5月は荻野が無安打だった試合の千葉ロッテの勝敗は、2勝7敗。一方、荻野が複数安打以上放った試合は6勝1敗。荻野が打つか打たないかが、チームの勝敗に大きく関係してくるといえそうだ。

 ドミンゲスがチームに不足していた長打力を補っている。開幕2軍スタートとなったドミンゲスは2軍で打率.252、5本塁打、24打点の成績を残し、5月5日に1軍初昇格。昇格後は11打席ヒットがなかったが、11日の埼玉西武戦で来日初安打となる本塁打を放つと、19日の福岡ソフトバンク戦で第2号2ラン。

 5月24日の北海道日本ハム戦では、3対5と2点を追う9回に守護神・トンキンから値千金の第3号同点2ラン。1点の勝ち越しを許した直後の延長11回には、再び同点の適時打。この試合は、延長12回に清田育宏の適時打でサヨナラ勝ちを収めたが、ドミンゲスの2度の同点打がなければ、チームは勝利することができなかった。

 代打で結果を残し5月26日のオリックス戦では、「5番・一塁」でスタメン出場し、2打席連続本塁打。翌27日もスタメン出場して第6号2ランを放った。

 ドミンゲスは10安打を放っているが、そのうち6安打が本塁打。さらにわずか15試合の出場だが、既にチームトップの本塁打数をマークする。つい数週間前までは、厳しい評価だったドミンゲスだが、今ではチームに欠かせない存在となっている。

ボルシンガーは5月に4試合に登板し4勝0敗、防御率2.16と好調を維持

 投手陣では、ボルシンガー投手の活躍が光る。5月は4試合に登板して、4勝0敗、防御率2.16。先発投手の指標のひとつであるクオリティ・スタート(6回3自責点以内)は全てクリアしている。

 春先に苦しんだ制球は、12日の埼玉西武戦で5つの四球を与えたが、その他の登板は3つ以内に抑える。制球の安定とともに投球内容があがっていき、19日の福岡ソフトバンク戦では来日後最長となる7回を投げて、4安打、7奪三振、無失点の好投で、白星を手にした。

 5月は涌井秀章投手が2勝2敗、石川歩投手が2勝3敗と“Wエース”で、思うように星を掴めない中、ボルシンガー投手がチームに勝利を運んでいる。

 その他の先発陣をみると、昨季7勝、防御率3.39をマークした二木康太投手が5月1日に1軍登録を抹消され、同じく先発として期待された唐川侑己投手も5月6日に2軍落ち。唐川に代わって昇格した新外国人のオルモス投手は、来日初登板となった6日の北海道日本ハム戦、13日の埼玉西武戦で、自らのけん制悪送球から崩れて失点し、14日から2軍で再調整することになった。

 なかなか4人目の先発投手が固定できない中、ドラフト5位ルーキーの渡辺啓太投手、2年目の土肥星也投手、リリーフから配置転換となった有吉優樹投手は、白星こそついていないがまずまずの投球を見せている。

 開幕から内竜也投手をはじめとした救援陣の負担が大きいだけに、4人目以降の先発が定着し、1イニングでも長く投げて欲しいところだ。5月は一進一退の戦いが続いた千葉ロッテ。昨年は6勝12敗と負け越した交流戦だが、比較的に得意にしている。この交流戦で、白星を積み重ねていきたいところだ。(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)