「四十九日も過ぎた3月末にさつきが住んでいた家の整理をしました」
 
そう語るのは、有賀洋さん(84)、1月30日に急逝したアナウンサー・有賀さつきさん(享年52)の実父だ。洋さんが続ける。
 
「さつきが遺した蔵書は段ボール箱に25箱にもなりましたが、すべて古書店に引き取ってもらいました。あとはテレビに出演するときの洋服とか、アクセサリーとか……。1つ100万円もするブランドバッグなんかもありましたが、売却できるものは、すべて売却しました。そういえば、さつきは孫のA子と乗馬をやっていて馬も所有していたんです。その馬も引き取ってもらいました」
 
84歳の洋さんにとって、娘の遺品整理は心身ともに大変な作業だったことだろう。しかし、洋さんの表情は晴れ晴れとしていた。実は、洋さんの心をずっと占めていた心配事が解決したのだ。それは、有賀さんが残した一人娘・A子さんを誰が養育していくのかという問題だった。
 
「さつきには私とA子以外には肉親はおらず、それに突然逝ってしまいました。A子が成人するまで、あと5年もあり、私もそれを見届ける自信はありませんでした。そこでA子にとってはお父さんである、和田圭さんともずっと相談していたのですが……」
 
有賀さんは元フジテレビ解説委員の和田圭さん(65)と'06年に離婚し、シングルマザーとして生活していた。離婚して以来、A子さんも父と会う機会はほとんどなく、12年もほぼ絶縁状態が続いていたのだ。
 
「和田さんも最初は『A子は私を父として受け入れてくれるでしょうか』と悩んでいました。でも結局、父娘2人で新生活を始めることになったのです。東京都内にある和田さんの家にA子が引っ越し、4月から同居をスタートしています」
 
A子さんが持って行ったのは眠り慣れたベッドとバイオリン、それに学用品などだったという。
 
「和田さんの家は2階建てなので、上の階がA子のスペースになりました。彼女も3歳ごろまではその家で暮らしていましたから、新しい環境に慣れるのも意外に早いかもしれません……」
 
母と死に別れ、“断絶12年”の父を頼らざるをえなかったA子さん。悲痛な運命に耐える愛娘を、有賀さんは天国から見守り続ける。