車椅子の物理学者として知られるスティーヴン・ホーキング博士が、現地時間14日にイギリス・ケンブリッジで亡くなった。76歳だった。The Guardian ほか各メディアに対して親族が声明で明かした。
博士の子供たちである、ルーシーさん、ロバートさん、ティムさんは声明で「本日心から愛する父を失い、深い悲しみに包まれています」と博士の死去を報告。「彼は偉大な科学者であり、2人といない特別な人物でした。彼の功績と遺産は、長い年月にわたって残り続けるでしょう」としている。
ホーキング博士は、1942年1月8日、オックスフォードに生まれ。若くして難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症し、車いすでの生活を余儀なくされる。余命2年とされながらも長きにわたって現代宇宙論に多大な影響を与える研究を残し、ビッグバンとブラックホールに関する理論は専門家以外にも広く知られた。一般の人々に宇宙論を広める活動にも取り組み1988年に発表した書籍「ホーキング、宇宙を語る」は世界的なベストセラーとなった。晩年は合成音声を利用してスピーチする姿でも知られた。
2014年には、博士と彼を献身的に支えた最初の妻ジェーンとの物語が『博士と彼女のセオリー』として映画化。博士を演じたエディ・レッドメインはアカデミー賞で主演男優賞を受賞した。偉大な功績はもちろん、電動車いすと合成音声を使用する姿はSFファンからも尊敬を集め、さまざまな作品に彼をパロディーにしたキャラが登場したり、人気ドラマ「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」にゲスト出演したりと、ポップカルチャーにも大きな影響を与えた。(編集部・入倉功一)
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