ニセコが「NISEKO」として海外で人気になる前から、この地にあった居酒屋「Bang Bang」。地元客はもちろん今や外国人観光客までを虜にする理由はどこにあるのでしょうか? オーナーの齋藤正信さんにお話をうかがいました。

「国籍が違ってもお客様には変わらない」と今日も全席に声をかけ続けるオーナー

―――齋藤さんは佐賀のご出身だそうですが、ニセコでお店を始めたきっかけを教えてください。

北海道を旅していたとき、道東で漁業の手伝いをした後、スキーを覚えようとニセコのひらふに来たんです。そこでスキーがだんだん上手くなることが面白くなってきたこと、たくさんの土地からひらふに人が集まってきていたことが新鮮で、ここに住みたいと思うようになったんです。

そこで、一旦外国語やワインを学ぶためにイギリスやフランスに渡り、ひらふに戻ってきて最初はペンションをやろうと考えたのですが、すでにたくさんペンションが立ち並んでおり、競合が多くて生き残るのは難しいなと。ならば、「ひらふで働いている人達の集まる場所を作ろう!」ということで、この居酒屋を始めました。

―――お店は外国人観光客の方が多く来ていましたが、何か増やすための努力をされたのでしょうか。

いえ、特に増やそうと思ってはなくて、ニセコの外国人観光客の増加に伴い、自然と増えてきました。そこでニーズに応えようと、英語表記や好まれるメニューなどを増やしていったんですね。色々と試行錯誤する中で、ありがたいことに口コミが海外サイトに取り上げられて、さらに多くのお客さんに来ていただけるようになりました。

―――海外の方にも日本語で接客されていたのが印象的でした。

あとおもてなしとして、出来る限り全席に足を運び、お客さん一人一人に話かけようとしてます。現在のスタイルを維持、長く続けることを心がけています。飲食店なのでおいしくて当たり前。常連かどうか、国籍がどこかは問わず、すべてのお客さまに変わらず声をかけ続けていきたいです。

―――お客さんもすっかり楽しんでいるようでした。ちなみに海外の方に人気のメニューって何ですか?

「いも餅」(600円)です。北海道の郷土料理であり、倶知安(くっちゃん)町の名産でもあるジャガイモを使った「いも餅」は、海外の方にも「おいしい!」と言っていただけるメニューですよ。

―――地元の郷土料理が海外の方にも人気というのはうれしいですね。今日はありがとうございました。

メニューには日本語に加え英語表記と写真が掲載されていたり、国籍問わずわかりやすくしていたり、そのようなオーナーのおもてなしの精神が、外国人観光客の心をもつかんでいるようですね。いろんな国の人が一堂に会するこの空間は、何よりニセコ名物と言えるのかもしれません。

Bang Bang ■住所:倶知安町字山田188-24 ■電話:0136・22・4292 ■時間:17:30〜23:00(LO 22:30) ■休み:不定(北海道ウォーカー・半田拓馬)