いよいよ今年も年末のRIZINさいたまスーパーアリーナ大会が近づいてきた。

 今年は『RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017 バンタム級トーナメント&女子スーパーアトム級トーナメント 2nd ROUND/Final ROUND』のタイトルで29日、31日の2日間行われる。“中日”の30日は、EXILEでお馴染みLDH JAPANの人気ユニットPKCZ®️とのコラボレーションで『PKCZ®️×RIZIN PREMIUM LIVE SHOW』と銘打ち、音楽LIVEイベントを開催。またメインアリーナに併設されているコミュニティアリーナでは、今年も『格闘EXPO』が29日から3日間開催され、RIZIN FF アマチュアMMA 大会、RIZIN FF オープングラップリング大会、RIZIN FF 柔術大会、第1回 全日本中学生サンボ選手権大会、ガンバレ☆プロレス、護身術教室、柔術セミナーが行われる他、各格闘技団体ブースが設置され、飲食コーナー・物販コーナー・トークイベントやステージ上で公開計量を行うなど、盛りだくさんのイベントを入場無料で行うことで、格闘技の祭典を盛り上げていく。

 29日、31日ともにバンタム級トーナメントを軸にバラエティなカードが組まれているが、29日はオープニングから北岡悟が登場するなど、注目のワンマッチが数多く組まれており、ファンの間からも「29日はかなり格闘技ファン心をくすぐるカードが組まれた」と称賛する声が多い。RIZIN名物となってきたKINGレイナが勝利を収めた後に行われる高田延彦統括本部長のやり取りも、レイナが29日しか参戦しないことから、この日しか見られる可能性はない。

 そして、プロレスファンにも注目なのが、“ミスター女子プロレス”神取忍の初参戦だろう。神取は1年前に参戦が決定していながらも怪我で欠場。盟友・堀田祐美子が代わりに出場し、ギャビ・ガルシアに瞬殺された。神取は今年1年間、ギャビの試合に限らずRIZINで行われてきた女子の試合を、リングサイドで黄色いTシャツを着ながら観戦する姿がテレビや場内ビジョンに抜かれており、その度に会場からは歓声があがっていた。世界柔道で銅メダルを獲得し、女子プロレス転向後もジャッキー佐藤、デビル雅美、北斗晶、ブル中野らと死闘を繰り広げ、天龍源一郎との性別を超えた一戦では顔面を変形させながらも闘い抜いている。98年にはMMAルールで192cm150kgの巨体を誇るロシアの世界柔道銅メダリスト、スベトラーナ・グンダレンコを破り話題になった。実績は申し分ない神取だが、今年で53歳。これが最後のMMA挑戦になるかもしれない。対戦相手のギャビは190cm90kgの32歳。グンダレンコ、ギャビの両選手と対戦した藪下めぐみは「グンダレンコはデカイだけだったけど、ギャビは頭を使ってくる」と両者の違いについて語っている。神取は入場シーン以外に見どころを作れるのか?ここに注目したい。

 31日は、バンタム級に加えて、女子スーパーアトム級とキックのトーナメントが加わり、このトーナメントの決勝戦がトリプルメインイベント的な扱いで行われる。バンタム級トーナメントは、那須川天心との対戦も期待される優勝本命の堀口恭司がどんな闘いを見せるのか?女子スーパーアトム級とキックに関しては連勝街道を走っているRENAと天心がそのまま走り抜けるのか?はたまた誰かが止めるのか?大晦日の格闘技はPRIDE時代からニューヒーローが出現しているだけに、他のトーナメント出場選手にも多いに期待したい。

 また対世間的にはタレント野沢直子の長女、真珠・野沢オークライヤーと、MMAのレジェンド、ミルコ・クロコップが参戦。31日はフジテレビ系列での全国放送が決定しているが、真珠の試合前には“時間調整”も兼ねた休憩時間が最大1時間設けられている。会場では高田延彦対ヒクソン・グレイシーのメモリアル映像の上映や、アトラクションなどで繋ぐ予定だが、これは当日の“生中継枠”対策。「トーナメントの日本人選手の結果次第」(榊原信行RIZIN実行委員長)によっては、真珠の試合からメイン終了までが生中継になったり、ミルコの試合で一旦生中継を打ち切り、日本人選手が出場するトーナメント決勝戦を再び生中継する可能性もあるという。