◆ フレッシュな顔ぶれの中…

 日本プロ野球における守備の栄誉「三井ゴールデン・グラブ賞」の受賞者が決定。セ・パ両リーグから、今年のプロ野球を守備で彩った名手18名が選出された。

 約半数の8名が初受賞となるフレッシュな顔ぶれとなったなか、ソフトバンクが誇る鉄壁の三遊間コンビ・松田宣浩と今宮健太が5年連続でゴールデン・グラブ賞を受賞。また、広島の菊池涼介と丸佳浩も5年連続での受賞となった。

◆ 偉大な先輩たちに挑む!

 三塁手部門で5年連続受賞となった松田は、過去に有藤通世、中村紀洋、今江敏晃、宮本慎也が記録した4年連続を上回り、連続受賞の最多記録を更新。ゴールデン・グラブ賞の歴史にその名を刻んだ。

 二塁手部門で5年連続受賞となった菊池は、リーグ記録の6年連続(荒木雅博/2004〜2009)に王手。セ・パ両リーグでの記録は、現在西武の監督を務める辻発彦の7年連続(1988〜1994)となっている。

 また、遊撃手部門で5年連続受賞の今宮も、かつて大洋・横浜で活躍した山下大輔が持つ最多記録:8年連続(1976〜1983)にまた一歩前進した。

 菊池はあと2年、今宮はあと3年の継続受賞が必要となるが、菊池は現在27歳で、今宮も26歳。記録更新への道は当然かんたんではないが、若くして球界屈指の守備の名手として知られる2人なら…と期待を抱かずにはいられない。

◆ 内外野の最多記録は…

 ちなみに、内野手の連続受賞最多記録は王貞治氏の9年連続。“世界の本塁打王”は守っても名一塁手だったのだ。

 広島・丸が5年連続に記録を伸ばした外野手部門では、広島の大先輩・山本浩二氏の10年連続という偉業が輝きを放っている。とてつもない記録であるが、もっと驚きなのはこれが“リーグ記録”である点。全体トップには、なんと12年連続で受賞した“世界の盗塁王”こと福本豊氏が君臨している。

 松田は自身の記録をどこまで伸ばすことができるか。菊池と今宮は偉大な先輩たちを超えていくことができるのか。来季以降も目が離せない。

【ゴールデングラブ賞・連続受賞記録】

▼ 投手

☆7年連続:堀内恒夫(1972〜1978)、西本 聖(1979〜1985)

▼ 捕手

☆7年連続:城島健司(1999〜2005)

▼ 一塁手

☆9年連続:王 貞治(1972〜1980)

▼ 二塁手

☆7年連続:辻 発彦(1988〜1994)

▼ 三塁手

☆5年連続:松田宣浩(2013〜2017)

▼ 遊撃手

☆8年連続:山下大輔(1976〜1983)

▼ 外野手

☆12年連続:福本 豊(1972〜1983)