上海マスターズ優勝で歴代2位のツアー通算94勝目 NO1ナダルとの差を縮める

 男子テニスの上海マスターズは、世界ランク1位ラファエル・ナダル(スペイン)をストレートで破った同2位ロジャー・フェデラー(スイス)の優勝で幕を閉じた。16日に発表されたATPランキングでは、1000ポイントを上乗せした36歳のレジェンドがナダルとの差を縮めて2位(8505ポイント)をキープ。2017年中にトップの座に返り咲くかに注目が集まるが、元プロ選手で現在解説者を務めるグレッグ・ルーゼドスキー氏は「世界NO1に到達することができる」と断言している。英衛星放送局「スカイスポーツ」が報じた。

 通算38回目の黄金カードはフェデラーに軍配。今季ツアー6勝目、歴代2位となる通算94個目のタイトルを手にし、2009年以来となる世界ランク1位への返り咲きに一歩前進した。

 今後は11月のNitto ATPファイナル(ロンドン)に向けて照準を合わせていくことになるが、その直前にはスイス・インドア(バーゼル・ATP500シリーズ)、BNPパリバ・マスターズ(パリ・マスターズ1000)が行われる。

 上海マスターズ決勝後、スカイスポーツの中継インタビューで大会出場と世界1位への想いについて問われたフェデラーは、「世界NO1になれるかどうかは分からない。分かっているのは、ワールドツアー・ファイナルを勝ち獲るのはマストだということだ。おそらく、バーゼルとパリも同じくだ。それでも、全てはラファがどれほどのプレーをするか次第だ」と回答。大会出場に関しては明言を避け、出場したとしてもNO1への道はナダルの成績(獲得ポイント)に左右されるとした。

解説者のルーゼドスキー氏は「ラファを突き放すためのトライをし続ける」と予想

 スカイスポーツでは、元プロ選手で現在解説者を務めるルーゼドスキー氏の見解として、「ロジャー・フェデラーはテニス界で最も偉大な選手として名を残したいと望んでいると、グレッグ・ルーゼドスキーは信じている」と特集。フェデラーが2017年中にNO1になるための“青写真”を描いた。

「ロジャーはとてもクレバーだ。彼はたとえ(バーゼルとパリで)プレーしなくとも、世界NO1に到達することができる。しかし、今季すでに2つのグランドスラムを手にしている彼は、より多くのマスターズを制し、ロンドン(で開催されるATPファイナル)で勝利する時も実際により多くのタイトルを勝ち獲っているだろう」

 記事では、ルーゼドスキー氏が“間接的”な表現ながらも、バーゼルとパリでの大会に出場し、通算獲得タイトル数を増やしてATPファイナルに臨むと予想している。その理由として、フェデラーのスケールの大きさとナダルの存在を挙げた。

「ロジャーはいつでもより大きな絵図を描いている。歴代で最も偉大な選手として恐れるべき唯一の存在がラファだ。彼は(グランドスラム優勝数)16で、ロジャーは19だ。両者に5年間の(年齢)差がある。ラファは膝の問題があったが、今はとても健康的だ。フェデラーはラファよりもできるだけ多くのタイトルを勝ち獲り、突き放すためにトライし続けるだろう」

 36歳にして今なお進化を続けるフェデラー。ATPファイナルの結果とともに、熾烈なポイントランキング争いからも目が離せない。