[10.6 キリンチャレンジ杯 日本2-1ニュージーランド 豊田ス]

 日本代表は6日、キリンチャレンジ杯でニュージーランド代表と対戦し、2-1で競り勝った。後半5分にFW大迫勇也のPKで先制すると、同14分に追いつかれたが、後半42分、途中出場のMF倉田秋がA代表初ゴールとなる決勝点を奪った。日本は10日にハイチ代表と対戦する。

 日本は3試合ぶりに4-2-3-1のシステムを採用。トップ下でMF香川真司が4試合ぶりに先発した。中央に2試合ぶり先発の大迫、右サイドに3試合ぶり先発のFW久保裕也。左サイドにはFW武藤嘉紀が入った。武藤の代表戦出場は途中出場した昨年9月6日のタイ戦以来で、先発は15年11月12日のシンガポール戦以来。最終ラインではDF槙野智章が昨年10月11日のオーストラリア戦以来、約1年ぶりの先発となり、センターバックとしては15年11月17日のカンボジア戦以来のスタメンだった。[スタメン&布陣はコチラ]

 序盤から試合の主導権を握る日本は前半8分、CKのセカンドボールをMF山口蛍がヘディングでゴール前に押し返すと、相手のクリアミスからこぼれ球を拾った香川が右足でシュート。決定的な場面だったが、惜しくも右ポストを叩き、先制点とはならなかった。

 その後もチャンスをつくる日本。前半10分には武藤のポストプレーから大迫がミドルシュートを狙うが、クロスバーの上へ。同23分、DF吉田麻也のロングフィードから武藤が競ったこぼれ球を山口がつなぎ、香川がPA手前から右足を振り抜いたが、これも大きくゴール上に外れた。

 試合を優勢に進めながら最後の精度を欠き、先制点が遠い日本。前半33分、ロングボールを大迫が頭でそらし、PA内に走り込んだ久保がGKもかわして左足でシュートを打ったが、角度がなく、ゴール左へ外れた。同43分には左サイドからDF長友佑都が右足でクロスを上げ、大迫が頭で合わせるもクロスバーの上。結局、前半で試合は動かず、スコアレスで折り返した。

 日本は後半5分にPKで先制する。山口のシュートがPA内でDFアンドリュー・デュランテのハンドを誘発。このプレーで獲得したPKを大迫が冷静にGKの逆を突き、ゴール右へ流し込んだ。ようやく1点をリードしたものの、ニュージーランドの反撃を浴びると、後半14分、右サイドを縦に突破したFWマルコ・ロハスのクロスからファーサイドのFWクリス・ウッドがヘディングで同点弾。ロハスには長友が縦に突破を許し、ウッドには吉田とDF酒井宏樹の間のスペースを突かれた。

 日本は直後の後半15分に2選手を交代。失点前から準備していたMF小林祐希とFW杉本健勇が香川、大迫に代わってピッチに入った。同時にシステムも変更。山口をアンカーに置き、その前方に小林とMF井手口陽介が並ぶ4-3-3に移行した。同25分には武藤に代わってFW乾貴士がピッチへ。次々とカードを切り、勝ち越しゴールを目指した。

 後半31分、久保がつぶされたこぼれ球に長友が反応し、強烈なミドルシュートを放つが、GKが好セーブ。同33分に久保に代わってFW浅野拓磨、同37分には井手口に代わってMF倉田秋が入った。すると同42分、ついにゴールをこじ開ける。再三、左サイドでドリブル突破を見せていた乾のクロスをファーサイドの酒井宏が頭で折り返し、倉田がダイビングヘッド。倉田が国際Aマッチ5試合目の出場で初ゴールをマークし、土壇場で決勝点を奪った。後半アディショナルタイムには最後の交代枠で山口に代えてMF遠藤航を投入。直後にタイムアップのホイッスルが鳴った。

(取材・文 西山紘平)

「反射的に頭で…」倉田が気迫のダイビングヘッドで代表初ゴール

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