ドラえもんがプログラミング学習を教えてくれる――まるで“ひみつ道具”のような玩具がバンダイから発売されます。
タブレット型の知育・学習玩具の名前は『ドラえもんひらめきパッド』。
この商品は「プログラミングがくしゅう」をはじめ、「こくご」、「さんすう」、「えいご」、「せいかつ」、「せかい・れきし」、「おんがく・ずこう」、「ゲーム」、そして“ひみつ道具”が手に入る「ひみつどうぐミュージアム」の9カテゴリーから構成されています。
ところで何故プログラミング?
この『ドラえもんひらめきパッド』のメインコンテンツとも言えるのは「プログラミングがくしゅう」のメニュー。実はこれ2020年から小学校で必修化される「プログラミング教育」の準備に非常に有効な内容なのです。
ここで言うプログラミング学習というのは、実際にプログラムのコードを書くのではなく“論理的な考え方”や“プログラミング的思考”を習得するためのもの。
視覚的な操作で考え方が身につく、ゲーム感覚の学習コンテンツなのです。
実際にさわってみる
これまで、プログラミング学習を目的とした玩具は海外製品で多く見られましたが、国内製品ではまだまだ珍しいのではないでしょうか。ましてやドラえもんやのび太たちが登場する世界観で学べるとなれば、子供たちの食いつきの良さは大いに期待できそうです。2017年9月30日(土)に発売予定のこちらの商品、実際に触ってみたいと思います。
内容物は本体の液晶パッドとタッチペンです。
単3電池4本もしくは『バンダイ専用ACアダプターBタイプ』(別売り)での駆動が可能となっています。
物理ボタンは「電源」「音量」「ホームボタン」の3つ。電源ONをすると、“部屋を明るく”“1時間に10分の休憩”を促す「ちゅうい」の後にタイトル画面となります。
『ゆめをかなえてドラえもん』のBGMとともに現れるドラえもんのキャラクターたち。設定画面で名前を入力しておくと、「○○○くん、いっしょにべんきょうしよう」と水田わさびさんの声で呼びかけてくれます。一文字ずつの発音なので多少の違和感があるものの、それでもドラえもんに名前を呼んでもらえるのは嬉しいかも。
ホーム画面にあるのは、
「プログラミングがくしゅう」、「こくご」、「さんすう」、「えいご」、「せいかつ」、「せかい・れきし」、「おんがく・ずこう」、「ゲーム」、「ひみつどうぐミュージアム」「せってい」
これら10個のボタン。
画面右上には、獲得メダルの状況が表示されています。(メダルが3つ溜まるごとに、ひみつ道具がプレゼントされるのです)
まずはメインとも言える「プログラミングがくしゅう」から!
“プログラム的思考”は大人でもあなどれない内容?
「プログラミングがくしゅう」をクリックすると、「あきちステージ★」「ミイちゃんステージ★★」「のびたくんステージ★★★」の3つのステージが表示されます。それぞれが初級、中級、上級に対応していると思っていただいて間違いないでしょう。
「あきちステージ」では、基本的な操作――いわゆるチュートリアルを中心に進みます。
「ミイちゃんステージ」は追加された命令の使い方、「のびたくんステージ」では“繰り返し”などの扱い方やこれまでの総合的な操作を中心に学ぶことができます。
いずれも丁寧にロジックを説明してくれますが、無駄な手数を省いて出来るだけ効率よく目的に到達することも求められています。
本製品は「対象年齢3歳以上、小学校の入学準備に最適」とされていますが、大人でも“プログラミング的思考”が備わっていないと結構頭を使うことになりました。
それでは「あきちステージ」から見ていきましょう。
「あきちステージ」
あきちステージは、ドラえもんを“コマンド”という命令で動かしてどら焼きのあるところまで連れて行くのが目的です。
ドラえもんを動かす「コマンド」はアイコンで用意されています。とはいえ、最初に使えるコマンドはクツのマークの「すすむ」のみ。「すすむ」コマンドをクリックするかドラッグすると、画面下の列に並びます。この画面下に並んだコマンドの順番に、命令が実行されるというわけです。
文章で読むと難しそうですが、ドラえもんによる説明は非常に直感的です。
ていねいに進めれば、つまづくことはほぼ無いでしょう。
何より、パズルゲームの感覚で進められるのが楽しいです。
最短、最小の命令でゴールを達成すると、メダルをもらえます。
ゴールできても、たとえば遠回りしてしまっていたりして無駄な手順がある場合にはメダルがもらえません。
メダルを集めると、ご褒美としてドラえもんから“ひみつ道具”をもらえます。ひみつ道具は、ホームメニューの「ひみつ道具ミュージアム」から見ることができます。おなじみのひみつ道具を集めながら、達成感と共にステージを進めていく、というのが、この「プログラミング学習」の要でしょう。
「ミイちゃんステージ」
ミイちゃんステージでは、障害物「おとしあな」の登場に加えて、新たに「タケコプター」コマンドが追加されます。
また、ドラえもんの天敵である「ネズミ」も障害物として登場! ネズミは「くうきほう」コマンドで必ず吹き飛ばさなければいけません。
ミイちゃんステージでは、障害物に重なることなく、有効なコマンドを使用して目的を達成する必要があるのです。
「のびたくんステージ」
のびたくんステージでは「ループ」を覚えることができます。同じコマンドを繰り返す場合は、繰り返すコマンドの範囲と回数を指定します。
たとえば、「すすむ」「右かいてん」「すすむ」「左かいてん」をループで繰り返せば、どんどん右下に進むことができます。
最終的にこのステージでは、今まで覚えたコマンドを駆使しながらループを使って効率的にゴールにたどり着くのが目標です。
現役プログラマも大満足?!
近くにいたガジェット通信のプログラマさんにも『ドラえもんひらめきパッド』を体験してもらいました。
「これはなかなか面白いですね(笑)」と、とても楽しそうに問題を解いていました。「勉強、学習という感じよりも、パズルゲームの感覚で楽しめるのはすごく良いです。小さいときにこんなおもちゃがあったら、プログラムの垣根がどんどん低くなって良いですね!」
「こくご」「さんすう」他にもまだまだあるぞ!
『ドラえもんひらめきパッド』では、プログラミングのみならず「こくご」、「さんすう」、「えいご」などなど、他の学習カテゴリーもかなり充実しています。
プログラミングも合わせた9カテゴリーには、全部で40アプリが用意されており、出題数は1000問以上。各カテゴリーをざっとさらってみましょう。
・「こくご」
こくごはひらがな、カタカナ、簡単な漢字を用いた学習で構成されています。
「かいてみよう(ひらがな/カタカナ)」「かんじをしらべよう」「ことばをつくろう(ひらがな/カタカナ)」「かんじあなうめ」
・「さんすう」
さんすうでは、たしざん、ひきざん、九九を中心とした学習で構成されています。
「たしざんをしよう(★、★★)」「ひきざんをしよう(★、★★)」「九九(くく)をおぼえよう」「九九(くく)のけいさん」
例えば、繰り上がりの生じる足し算などは、数字を分解したビジュアルで繰り上がりの仕組みをわかりやすく解説してくれます。
・「えいご」
えいごでは、アルファベットの学習とヒアリングが行えます。
「アルファベットひょう」「かいてみよう(アルファベット)」「ことばをつくろう(アルファベット)」
わかりやすいビジュアルと、正確な発音で英語になじむことができます。
・「せいかつ」
せいかつでは、時計の読み方や星座、科学に関する知識を得ることができます。
「とけいのよみかた(★、★★)」「とけいのけいさん」「とけいであそぼう」「ほしをつなごう」「しらべてみよう」
とけいは、タッチペンを生かし、直感的な操作が可能になっています。
しらべてみようでは、タイムふろしきやビッグライト・スモールライト、オールシーズンバッジといったひみつ道具をうまく用いて、身の回りのものの科学的な視点へといざないます。
・「せかい・れきし」
せかい・れきしでは、どこでもドアでの世界旅行、タイムマシンでの歴史学習が可能です。
「どこでもドアでどこいこう?」「タイムマシンでじかんりょこう」
・「おんがく・ずこう」
タッチパッドの特性を生かし、ピアノやリズム遊び、カラオケ、お絵かきなどを楽しむことができます。
「ピアノであそぼう」「リズムにあわせて」「カラオケでうたおう」「おえかきしよう」
リズムにあわせて、は一見、リズムゲームのように見えますが、自由に様々な楽器を鳴らす自由度の高いアプリです。
・「ゲーム」
ゲームは的当てや間違い探し、横スクロールの“避けゲーム”、タイミングゲーム、神経衰弱など、ジャンルは様々。飽きづらくなるような、しっかりとした作りになっています。
「ストラックアウト」「かがみのせかいでまちがさがし」「いえにかえろう」「ジャイアンリサイタル」「しんけいすいじゃく」
・「ひみつどうぐミュージアム」
これまでに集めたメダルでもらった、さまざまなひみつ道具をここでみることができます。
結構な数が収納されているので、コンプリートするには時間がかかりそうです。
・「せってい」
ここでは、バックライトの明るさ、タッチペンの調整、プレイ時間制限、ユーザーの名前変更、初期化を行うことができます。
「バックライト」「タッチせってい」「プレイじかん」「なまえへんこう」「初期化」
先でも述べましたが、名前変更するとドラえもんがその名前で呼びかけてくれます。
遊びながら学習できるオールインワンなパッド
知育玩具としてもかなり高性能な『ドラえもんひらめきパッド』。
iPadの普及もあり、パッド型のデバイスはちびっ子たちの受け入れも早そうです。
何よりも、ドラえもんという超・強力なコンテンツの世界観で、ゲーム感覚で楽しめるのがこの商品の強みですね。日常の遊びの中に、さりげなく知育・学習を取り入れられる玩具と言えそうです。
メーカー希望小売価格は15,984円(税込)。
販売は2017年9月30日(土)より全国の玩具店、百貨店・量販店・家電量販店の玩具売り場、インターネット通販で可能となっています。
―― 会いたい人に会いに行こう、見たいものを見に行こう『ガジェット通信(GetNews)』『ドラえもんひらめきパッド』
対象年齢:3歳以上
メーカー希望小売価格:15,984円(税込)
電池:単3乾電池×4本(別売)
発売日:2017年9月30日(土)
セット内容:本体、タッチペン(本体に収納可能)、取扱説明書『ドラえもんひらめきパッド』公式サイト
http://asovision.com/dorapad/