オーストリアOP1回戦、ニー・シャーリエンが1時間33分42秒の接戦の末に橋本撃破

 卓球のオーストリア・オープン(リンツ)は21日(日本時間22日に)に本戦がスタート。女子シングルス1回戦の橋本帆乃香(ミキハウス)対ニー・シャーリエン(ルクセンブルク)の一戦で世界記録が誕生した。国際卓球連盟(ITTF)が公式Facebookで「世界最長ゲーム」となったことを動画付きで公開すると、「ファンタスティック」などファンから反響の言葉が相次いだ。

 卓球界の歴史に名を刻んだのは、54歳のニー・シャーリエンだ。

 立ち上がり2ゲームを9-11、5-11と橋本に奪われたが、第3、第4ゲームを連取してタイに持ち込む。第5ゲームを5-11で落とし、勝負の第6ゲームは一進一退の攻防。なんとかしのいで16-14で再びタイに戻すと、最終ゲームはさらに白熱した展開となった。

 17-16とマッチポイントを迎えた局面、自身のサーブからラリーが続き、5本、10本、20本…。スマッシュを打っても拾ってくる橋本に、耐えて耐えまくる粘りの卓球で応戦。最後はコーナーに強烈なショットを打ち込んで相手のミスを誘い、ゲームカウント4-3で白星を手にした。ニー・シャーリエンは勝利が決まると、「ヤー!」と叫んで片手でガッツポーズ、さらに今度は「ヤー!」と両手でガッツポーズを繰り出し、喜びを表現した。

ファンから祝福の嵐「おめでとう」「人生は50歳からだ、そうだろ?」

 ITTFによると、試合時間は卓球のゲームとしては異例の1時間33分42秒。「近現代の卓球のゲームでは最長」とし、Facebookに投稿した動画では「世界新記録」と紹介した。本人は試合後のインタビューで「本当に言葉が出てきません、忘れられない試合になりました。勝てたことが素晴らしいです。何回もマッチポイントになりましたが、経験が十分じゃなかったんですね。学ぶのに遅すぎることはないですね。フフフ。我慢して、我慢して、我慢することを学びました」と笑顔で試合を振り返った。

 Facebookはすぐさま、「おめでとう」「年齢の勝利だ」「彼女のユニークなプレースタイルが好きだ」「人生は50歳からだ、そうだろ?」「ファンタスティック・レディー」とファンからの祝福の嵐となった。

 年齢に関係なく、粘りの卓球で観る者を惹き付けたニー・シャーリエン。2回戦は日本の早田ひな(希望が丘高)と対戦する。