ともに優勝マジック「1」、ホークスは勝利か引き分け、広島は勝利で決定

 2017年のプロ野球ペナントレースも、いよいよクライマックスを迎える。14日にセ・リーグ首位の広島、パ・リーグ首位のソフトバンクがともに勝利し、優勝へのマジックを「1」とした。15日は全チームが試合なしとなっており、16日にそれぞれリーグ優勝を賭けた一戦を戦う。

 2年ぶりのリーグ奪回が懸かるソフトバンクは、敵地メットライフドームに乗り込み、終盤にきてマジック対象チームとなった西武との直接対決に臨む。勝つか、引き分けでVが決定。過去10年で7度、他球団の優勝に絡んでいる西武は、今年は3連勝で目前での胴上げを阻止したいところだろう。

 優勝が懸かる大一番で、ソフトバンクの先発マウンドに上がるのは、東浜巨投手。今季、離脱者が相次いだ中でローテを守り抜き、22試合に先発してパ・リーグトップタイの15勝をマーク。その東浜が先発する試合で優勝となれば、まさに今季のソフトバンクを象徴したフィナーレと言える。

 ただ、ソフトバンクは今季、敵地メットライフドームを苦手としている。ここまで3勝6敗の戦績で、敵地で負け越しているのはメットライフドームだけ。東浜も4月9日の登板では6回途中4失点で黒星を喫している。チーム防御率は5.19と全球場の中で飛び抜けて悪い。西武先発の野上は、今季ソフトバンク戦では3試合に投げ、2勝1敗。2勝はどちらも本拠地での登板だった。これらが優勝の懸かる試合では、どう出るか。

広島は”お得意様”ヤクルト戦も…台風で開催危機

 一方、連覇の懸かる広島は、本拠地マツダスタジムで、セ・リーグ最下位のヤクルトを迎え撃つ。今季の対ヤクルトは16勝6敗と10個の貯金を作っている“お得意様”。さらに、マツダスタジムでは9勝2敗と圧倒的優位にある。

 先発マウンドに立つのは、薮田和樹投手。こちらもチームトップとなる14勝をマークしているが、実は広島がヤクルトに本拠地で喫した2敗はともに薮田で、相手の先発も16日と同じ小川。7月29日は6回5安打6失点、8月19日は7回途中10安打4失点で敗戦投手となった。薮田の出来が、優勝の鍵を握りそうだ。

 ヤクルト以上に、広島にとって障害となりそうなのは、天候だ。日本列島に台風18号が接近中。広島は16日は朝から雨、17日は暴風雨の予報が出ており、この2日間の試合が開催できるか、微妙な状況となっている。

 ともにマジック1としているソフトバンクと広島。セパ同日優勝決定となれば、1958年の巨人と南海以来59年ぶりの出来事となるが、果たして16日、両チームに歓喜の瞬間は訪れるのだろうか。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)