吉田朱里の快進撃が止まらない。初のフォトブック「NMB48 吉田朱里 ビューティーフォトブック IDOL MAKE BIBLE@アカリン」(主婦の友社)を発売、すぐに重版が決定するなど売上は絶好調だ。購入者の多くが同世代の女性で、吉田のメイクやファッションを真似する熱狂的なファンも多い。


現在では、「女子力動画」として日々配信しているメイク動画の再生数も激増し、YOUTUBEのチャンネル登録者が30万人を突破。この数字は、メイク・コスメ・ファッションに特化した動画チャンネルとしてはトップクラスの数字となり、コスメや美容メーカーからも注目される存在となっている。

そんな吉田は当サイトのインタビューで「この前テレビ出てたけど、朱里ちゃんってアイドルなの?」と、吉田朱里を知った後に、NMB48へ所属しているアイドルだ、と気づくという逆転現象まで起きていると話した。ここまで長くアイドルを取材してきたが、こんなエピソードは聞いたことが無い。圧倒的な女性人気を獲得し、数々のファッション誌やブランドとコラボした小嶋陽菜ですらも、AKB48メンバーとして知名度が上がり、その上でファッションセンスが認められ女性人気が爆発した。そう考えれば、この吉田朱里の人気はこれまでにない前代未聞の出来事だといえる。

男性ファンが人気の大半を支えているアイドルの中で、吉田は特殊な存在だと言える。しかし、彼女の活動こそが「AKB48」的であると感じるのだ。AKB48は「これまでになかったアイドル」としての活動や企画を連発し、従来のアイドルの壁を壊し続け人気を高めてきた。メンバー同士を競い合わせるという総選挙というシステムも、ここまであからさまでエゲツない企画はアイドルの歴史でこれまで無かった。その上で、楽曲ごとにセンター争いがあり、グループ間でもライバル関係がある。一歩上に抜け出るには?目立つには?と常にメンバーが考え、自分の特性を理解し磨き上げたメンバーのみが、「AKB48」として爆発的な人気を獲得した。それが、トークやバラエティスキルの高い指原莉乃であり、アーティストとして努力した山本彩であり、卓越したリーダーシップを取った高橋みなみである。

吉田朱里も、これまでNMB48の選抜には選ばれていたものの、総選挙の順位も人気も決して高いものではなかった。それを感じていた本人は、試行錯誤する中で「YouTuber」という道を探し当てた。ただ、吉田がYouTuber宣言したときには人気のYouTuberがすでに多く存在し、必ずしも先行者メリットがあったわけでは無かった。その中で、徹底的に手作りにこだわり、メイク、コスメに関する動画を自分で作り配信してきた。吉田はこの動画制作に多大な時間をかけ、寝ずに編集作業をしていたこともあるという。まさに「努力は必ず報われる」を体現し、そして人気を自分の手でもぎ取った。

誰かに押し上げられたわけではない吉田の人気は凄まじいものだ。基盤ができているからこそ、今後は様々な冒険もできその度に人気を獲得していくだろう。

吉田の努力は、女性人気という形で証明された。吉田のブレイクを見て、奮い立たないメンバーはいないと信じたい。ここ最近では、AKB48グループだけでも数多くのメンバーが存在し、46グループ、そして他のアイドルともしのぎを削らなければいけない。その中で、くすぶり、何をしたら良いのかわからないと悩むメンバーも多く存在するのが事実だ。くすぶっていた吉田は自ら結果を出した。この吉田のブレイクこそが、AKB48グループの未来への光だといえる。今後も、AKB48グループが、そしてアイドルが輝き続けるには、吉田朱里のように自分を信じて、ファンのために努力を惜しまないメンバーが求められる。(編集部/高橋学)