内部施設は手狭もいい所だ。記者席も狭い。アジアチャンピオンズリーグの試合を行うには辛いレベルにある。料金箱にお金を投入する時に、その安普請なスタンドの観戦環境に、マイナスのイメージを抱く人がいたとしても不思議はない。

 面白さ、攻撃的サッカーを伝統的に追求しているクラブと言えば、真っ先にバルセロナを想起する。ホーム「カンプノウ」の収容人員は98000人強。視角、眺望も抜群だ。大きいのに見やすい。アクセスも悪くない。少なくとも僕の感覚の中では、カンプノウで見るバルサ戦は、最も高いお金支払いたくなるものとして通っている。

 日本ではどうだろうか。最もお金を払いたくなるサッカーをしているクラブはどこか。成績の善し悪しは一目でわかるが、こちらは微妙な争いだ。その分だけ興味が湧く。ミシュランのような客観性を備えた第3者が、満足度を覆面で調査してまわり、そのエンタメ度をランキング化して欲しいものだと思う。さらに言えば、欧州でUEFAが5つ星スタジアム、4つ星スタジアムを選定しているように、日本にもスタジアムに同様な指標が欲しい。スタジアムには、レストランやホテルに似た役割がある。「値段のないスタジアム」も、そうした発想に基づいているのではないか。ウチのレストランで食べるこの料理、一体いくらの価値があるか。他のクラブも鳥栖に倣い、年1くらいで実施して欲しいものである。