即興のラップバトル番組『フリースタイルダンジョン』3rd SeasonのRec7-4。

Lilyさん、泣いた。ERONEも涙目だった。KEN THE 390が天を仰いだ。
UZIもハンカチで涙を拭った。

ついに因縁の対戦。晋平太と漢a.k.a.GAMのバトルだ。

どういう因縁なのか。
番組だけでは、ほとんど分からない。
場内の異様な印象と、バチバチの激突だけが、すごい因縁を感じさせる。

真相は当事者しか分からないだろう。
とはいえ、まあ、あれやこれや情報は出ている。

周辺情報で補足しながら、バトルのようすを見ていこう。



第一ラウンド。
ビートは、PSGの「かみさま」。

晋平太先攻。
晋平太「とうとう来たなこの時が」
「この時が」で、晋平太と漢がハモる。

晋平太「ずっと言いたかった 代々木公園じゃ約束破った。役不足のラッパー 役立たずだった」
これは、代々木公園の「渋谷サイファー祭り」での晋平太 vs 漢のこと。
晋平太が、目を合わさず、ほとんどアンサーしなかった。
VTRで、その様子が映し出されていたけど、「社長」って言葉までコンプラになっていて、繊細な問題であることがビシビシ伝わってくる。

晋平太「俺がどこが嘘ついてんだ? 言ってくれよ
約束のくだりか? 司会も降りた 審査員も降りた
アンタのシナリオ通りな」
降りた司会というのは、というのはUMB(ULTIMATE MC BATTLE)のこと。
フリースタイルで頂点を決めるMCバトル大会。
2013年から晋平太が司会を務めた。
そして、2016年に司会を降りた。

晋平太「関係ねぇんだよ 【コンプラ】とアンタでタイマン張れ」
【コンプラ】に入るのは、UMBを主催したレーベル名だろうか。
UMBの創設は、そのレーベルと漢さんが力を尽くした。
だが、レーベルと漢さんは決別。
裁判を起こした。

漢「マジふざけんなよ 約束したよな?
道連れにしたくねぇから 邪魔すんな」
漢は、晋平太にそのレーベルの所属でないことを確認した、と語る。
が、晋平太が次のUMBの司会をすることが判明する。
漢は、どういうことなのか晋平太に問いただすが、不明瞭なアンサーしかなかった。

晋平太「アンタがUMBを作った 俺はそれを救った
首を括るより 腹括った
俺がマリオ どけよクッパ」
UMBというイベントを終わらせたくなかったんだ、と晋平太の主張。

漢「お前クビになったんじゃねぇよ
俺と般若に嘘ついてクビ切られたんだよ」
嘘をついただろうと、漢は繰り返す。

第二ラウンド。
ビートは、真っ向勝負KEN THE 390feat. MC☆ニガリ a.k.a 赤い稲妻,KOPERU,CHICO CARLITO,晋平太。
DOTAMA「これ(晋平太が)歌ってる曲じゃん、いいの、これ?」

晋平太「拙者が運転者 フリースタイル ディスってんじゃねぇ 今日は挑戦者」
「拙者が運転者」は、晋平太 VS 鎮座DOPENESSのバトルで晋平太が吐き出したフレーズ。
鎮座DOPENESS「俺はつねに挑戦者 晋平太ひきコロしてやる戦車」に対して
晋平太が「その戦車、拙者が運転者」と返した。
後に、漢がそのフレーズについて「運転者じゃなく運転手」と突っ込んだ。
という一件があったのだ。

嘘つきよばわりに対して、晋平太は、「具体的に言ってみろ」と返し、
「人のリアルなんか10通りあるよ」と言う。

漢が返す。
「テレビだからしょうないでしょ
あ〜畜生めんどくせぇ このアーティスト」
さらに
「ふざけんな 多勢に無勢じゃねぇ ダセェしウゼェだけ」

第三ラウンド。
ビートは、野良犬feat.ILL BOSSTINO/刃頭。

晋平太「ハードルちゃんと上げてKOK作った
それは素晴らしいと思うよ
だけどマイクは憂さ晴らしの道具ではねぇよ」
KOKは、KING OF KINGS。
漢が代表をつとめる9SARI GROUPが主催しているMCバトルの大会だ。
漢「KOKそれもお前が居なかったらできなかった大会
ありがとな晋平太」
晋平太「辛かったぜ 恨みたかったぜ
でも本心で言う おれ漢くんのこと好きだぜ」
バチバチの激突のまま「好きだぜ」の告白。
漢「3年目だぜ
残念なだけ懺悔はもういらねぇ
さっさと俺と手をつなげ」
漢、晋平太の肩をポンポンと叩く。
晋平太のラスト。
「アンタの作ったUMB それをもっと有名に
KOKとデカくして日本一の大会に
それできるなら俺はこの命もいらないぐらいに」
がっしりと握手するふたり。
勝者になった晋平太、漢に深々と頭を下げる。

次回は、晋平太 VS T-Pablow。
どんだけ顔面近づけてるんだの一触即発な様子の映像が予告で登場していた。
何が起こるのか。
(テキスト/米光一成 イラスト/小西りえこ