お金に苦労せず、幸せに生きていくことを目指す【脱貧困診断】。
今回の相談は、野田修子さん(仮名・出版関連会社勤務・32歳)からの質問です。

「お金があると、つい使っちゃうタイプで、お金がなかなか貯まりません。お給料が振り込まれる口座の銀行で、自動積立定期預金をすすめられました。やるべきでしょうか。その場合、毎月の積み立て額はいくらに設定したらいいですか?」

 さっそく森井じゅんさんに伺ってみましょう。

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強制的に貯金ができる自動積立定期預金

確実にお金を貯める方法といえば、給与天引きの財形貯蓄です。
お勤めの会社にこの制度があれば、ぜひ活用してください。そして、ない場合は、自動積立定期預金は強い味方です。

自動積立定期預金は定期預金の一種。基本的には、毎月決まった日に、決まった金額を普通預金から定期預金に積み立てる仕組みです。
自分で毎月ATMに行ったり、取引指示をすることなく自動的に行なわれるため、確実に貯金がしたい人には便利です。

ポイントは、積み立てを行なう日を、給料日の直後に設定すること。積み立てるお金はもともとなかったものとして、残金で生活するのが当たり前になります。お金が口座に入っているとつい使ってしまう、という相談者さんのような方でも、強制的に貯金をすることができます。

お給料を使った残りを貯金しようと考えていて、結局使い切ってしまった、なんていう経験はありませんか?
あまり貯金をする余裕はない、と思っている人でも、自動積立預金を始めてみると、案外と貯金できたりするのです。

サービス内容の精査は重要。自分に合ったものを選ぶ

現在、ほとんどどこの金融機関でも、自動積立定期預金の商品があります。月々1,000円から積み立てられるものもあれば、系列会社で使えるポイントが付与されるものなど、銀行によってサービスの内容が異なります。

例えば毎月同額積み立てるもののほかに、ボーナス時などに追加の積み立てが自由に行なえるものもあります。

また、普通預金に残したい残高を指定しておき、それを超える部分だけを自動的に積み立てられるものもあります。このサービスは、毎月のお給料の手取り額が違う人にも便利です。

さらに、積み立て期間がいくつか決まっていて、その中から選ぶものや自分で自由に設定できるものもあります。
これだと、旅行行資金や結婚資金、老後の資産づくりなど個別の目標に合わせて積み立てができます。

いつでも引き出し可能な満期のないタイプもあります。
とはいえ、貯金をしたい! というのであれば、自由に引き出しできない方がベターですね。

そして、金利で比較するのであればネット銀行が有利です。ただ、お給料が振り込まれる銀行の口座から他行へ自動送金する場合には、数百円の手数料がかかってしまうことが多いです。
ちなみに、長期であれば長期であるだけ金利が高いと思っていませんか?
現在は超低金利金利です。長期のものほど金利が高いとは限りません。商品を選ぶ際には注意してくださいね。

手取り年収額を何年で貯めたい?

1か月にいくらを自動積立定期預金に回すかは、自分がどれくらいの貯金を目指すのか、そしてどれくらい積み立てる事ができるのか、によって変わってきます。

今の手取り年収を目安にするとわかりやすいと思います。金利のことを考えないで計算すると、月々、手取りの20%を貯めていけば、5年で手取り年収分の貯金になります。15%であれば、約7年です。

お金をたくさん貯めたいと思うのであれば、「この金額だと、ちょっと日々の生活が苦しいかも……」と思う額だけを残してあとは積み立てに回してみることをおすすめします。

積み立て後の残金で生活することになりますが、残金が少なかったら少なかったで、やりくりをして生活していけることが多いのです。
積み立てを始めたばかりの時は、ちょっと苦しいなと感じるかもしれません。でも、人間は適応能力があるので、そのうちその生活が当たり前になります。なんとなくの無駄遣いが減るといった、お金の遣い方改善の効果もありますよ。

自動積立預金をしていることも、忘れられたらしめたものです。
「気づかないうちに貯金ができていた」なんて、嬉しいサプライズですね。

うっかり使いすぎちゃって、お給料日前の数日間はモヤシが主食と、いう働き女子も。



■賢人のまとめ
強制的に貯金ができる自動積立定期預金はおすすめ。貯金をしてみたい!なら、まずはじめてみるのがいちばんです。月々1000円、2000円といった小額でも、コツコツはじめてみると、自信もつきます。そのあとで、〇円貯める! という高い目標を立てるのでもよいのです。

■プロフィール

女子マネーの達人 森井じゅん

1980年生まれ。高校を中退後、大検を取得。レイクランド大学ジャパンキャンパスを経てネバダ州立リノ大学に留学。留学中はカジノの経理部で日常経理を担当。

一女を出産し帰国後、シングルマザーとして子育てをしながら公認会計士資格を取得。平成26年に森井会計事務所を開設し、税務申告業務及びコンサル業務を行なっている。