日本に数多くの四字熟語が存在するように、漢字の本場中国にも「成語」と呼ばれる4文字を基本とする熟語がある。その数は非常に多く「成語辞典」ができるほどだが、だからといって日本で使われる四字熟語が中国人に理解されるとは限らない。

 中国メディア・今日頭条は29日、「日本語にある不思議な四字熟語」とする記事を掲載した。記事は「中国語には4文字からなる成語が存在するが、隣国の日本においても日常的に使われしかも意味が深遠な四字熟語がある」としたうえで、中国ではあまり用いられない、あるいはもともと存在しない日本の四字熟語を4つ紹介している。

 1つ目は「本末転倒」。物事の本質とそうでないものを取り違える意味でよく用いられる。中国にも同じ意味を持つ成語はあり、日本語と似てはいるが「本末転倒」ではない。「本末顛倒」あるいは「本末倒置」と書く。そして「転倒」と「顛倒」、日本語では読みが同じだが、中国語では違う読み方になるのだ。このような日中間で「近いけれど微妙に違う」というのは結構たくさんある。

 2つ目は「一期一会」だ。どの茶会も一生に一度しかないであり、主人も客人も誠意を尽くせという日本で発達した茶の湯の言葉に起源を持つため、中国にはもともと存在しない四字熟語だ。3つ目の「天地無用」も日本で発生したと言える言葉だ。天地すなわち上下をひっくり返してはならないという意味で、宅配便のラベルなどでよく見かけるが、中国では意味が分からないか、日本のアニメ「天地無用!」を想起するかといったところのようだ。

 そして、最後は「自業自得」だ。もともと仏教用語であり、日本オリジナルの言葉ではないが、中国で日常的に用いられることはまずない。代わりに用いられるの同じ意味の「自作自受」だが、この言葉は日本語にも存在する。

 この他にも、日本では当たり前に使っているのに中国人には書いても伝わらない可能性のある四字熟語はたくさんあるから、注意が必要だ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)