祇園祭(クラウドファンディングサイト「Makuake」より)

京都の夏の風物詩、それが祇園祭だ。毎年7月1日に始まり、前祭14日、15日、16日の宵山、17日の巡行、後祭21日、22日、23日の宵山、24日の巡行には、数十万人という見物客が訪れ、ひときわ賑わいを見せる。

そんな祇園祭の山鉾行事を支援するため、2017年5月8日、インターネットを使って資金を募るクラウドファンディング事業がスタートした。京都市中京区の祇園祭山鉾連合会が、祭りの警備費や損害保険料の一部に充てるため、クラウドファンディングサイト「Makuake(マクアケ)」をとおして呼びかけたのだ。

ところが9日午後、わずか1日で目標額の300万円を達成。その後も支援は増え続け、話題となっている。

いったい何があったのだろう? そこでJタウンネット編集部は京都に電話して、話を聞いてみることにした。

「何かやれることがあればやりたいと思っていた」との反応も


祇園祭(クラウドファンディングサイト「Makuake」より)

電話で答えてくれたのは、祇園祭山鉾連合会の事務局担当者だった。

「予想以上のスピードで目標金額を達成することができました。今回の趣旨にご賛同いただいた方々に、本当に感謝しております」と担当者。「私どもにとって、クラウドファンディングは初めての試みでした。伝統行事の運営にも、インターネットによる資金調達ができることに、素直に驚いています」。


2万円コース記念品、扇子、粽、手拭(クラウドファンディングサイト「Makuake」より)

目標額スピード達成の要因について、聞いてみた。

「一つは、祇園祭山鉾巡行の警備に多大な経費が必要だということが充分にご理解いただけたためだと思います。事故に備えた賠償責任保険、600人以上の警備員の人件費など、費用は増加の一途をたどるばかり......。数十万人という見物客に、安心して楽しんでいただくために、資金は必要です」。


祇園祭(クラウドファンディングサイト「Makuake」より)

「もう一つは、実は祇園祭のために何らかの形で手伝いたい、とお考えの方が多かったということではないでしょうか。見えないサポーターが顕在化した、という側面もあるかもしれません」と担当者は語る。「何かやれることがあればやりたいと思っていた、という声を数多くいただきました」。

10日18時現在で、サポーターの数は500人以上、600万円を超える支援を集めているが、まだ募集期間は2か月以上残っている。このまま募集は続くのだろうか。

「もちろん募集は続ける予定です。集まった資金は、警備の強化などに充てるつもりなので、どうぞこれからでもご支援をお願いします」。現在のところサポーターの多くは、関西在住者。これからは、「全国の皆様からのご支援も、お待ちしております」とのこと。