役者を始めて、こんなに追い込まれたのは「初」



――舞台『熱海殺人事件 NEW GENERATION』が2月18日から上演になります。つかこうへいさんの代表作で、40年以上前に初演され、それから幾度となく有名な役者さんたちにより上演されてきました。

役者をやっていたら一度は、つかさんの作品に出たいと考えると思うんです。ひとつの大きな門をくぐることになるので、23歳のこのタイミングで出演できて、とても光栄です。

――プレッシャーは感じませんでしたか?

まわりの役者から「『熱海殺人事件』出るんだ?」ってうらやましがられました。そういう声を聞いて、本当に愛されている作品なんだなって痛感しました。だからプレッシャーというよりも、愛のある作品に出られる喜びのほうが勝っています。

――これまで上演されてきた『熱海殺人事件』の舞台は、ご覧になりました?

出演が決まってからDVDで見たんですけど、セリフの量に驚きました(笑)。

――本作の主な登場人物は、部長刑事・木村伝兵衛と、地方から来た田舎の刑事、婦人警官、恋人殺しの犯人・大山金太郎の4人です。黒羽さんは犯人役をどのように演じたいと思っていますか?

金太郎って、まっすぐな人間なんです。恋人に対する愛がすべてなんですよね。子どものように純粋なんですけど、それゆえに深い闇を抱えている……。だから、役に入り込めば入り込むほど吐き気がしてきて。精神的に参っちゃって、演じていると具合が悪くなるという(苦笑)。

――それはキツいですね。

はい……。後半のセリフ量がスゴくて、喉もぱっかーんっていきそうだし、空気も足りないし、頭がおかしくなりそうだし、過呼吸になりそうになって、共演者に「大丈夫?」って心配されたほど。ここまで追い込まれたのは初めてです。

――大山の独白シーンは、見せ場のひとつですよね。

そうなんですが、もうセリフ量がエグい、エグい……。歌うように覚えなきゃいけない。

――本番まであと2週間くらいですね(※取材を行ったのは2月頭)。

ですね……。1月末から稽古が始まったんですけど、正直かなり焦ってます。暇さえあればずーっとセリフを口ずさんでます。ブツブツ言ってると、まわりから変な人に思われるかもしれないけど、今はそんなこと言ってられないですから。



“伝説”を引き継げ 新世代キャストに課された使命



――演出家の岡村俊一さんからは、どのようなディレクションを?

役に対するアプローチについてお話しました。セリフが長いので、言葉が流れてしまわないように、「言葉のひとつひとつには意味があるから、ひとことずつ意味をしっかり理解しながら言うように」とか。

――なるほど。

舞台を観る側も難しいと思います。集中していないと理解できなかったり。それに、岡村さん演出ならではのぶっ飛んでるシーンもあって。……あ、でもこれ以上は言えない(笑)。観に来ていただいてからのお楽しみということで!

――4人芝居はいかがですか?

いやー、大変です。4人で2時間だから、単純計算でひとり30分はずっとしゃべってることになりますよね。1日2回の通し稽古が終わったら、もうぐったり。命削ってます。1回通すたびに20分は寿命が縮まってるんじゃないかな(笑)。

――熊田留吉刑事役の多和田秀弥さんは同い年ですし、ミュージカル『テニスの王子様』で共演していて気心が知れてるから、ふたりで苦楽をわかち合えているのでは?

秀弥の役はぶっ飛んだキャラクターだからか、伸び伸びと楽しそうに演じていてうらやましいです(笑)。

――では改めて、舞台への意気込みをお願いします。

『NEW GENERATION』というタイトルが付いてる通り、僕たち20代の若い世代が引き継いだ新世代の舞台になっていると思います。これまで、つかさんの作品に触れる機会がなかったという若いお客さんにも、たくさん観に来ていただきたいですね。新世代の人たちを呼び込むことが、僕らの使命だと思っています。

――黒羽さんの本気度が伝わってきました。

命削ってやってるんで(笑)。

――この舞台が終わった頃には、ひと皮もふた皮も剥けて強くなっていそうですね。

人間的にも強く、大きくなっていたいですね。



オンとオフ 切り替えのスイッチは友人にあり?



――ここからはプライベートについてお伺いしていきます。お休みの日は何をして過ごしていますか?

んー……何してたかなぁ? あ、家でずっとネットショッピングをしてました(笑)。iPhoneケースとApple Watchのバンドを買ったような。あと、部屋の掃除とか、たまってしまった洗濯物を片付けているうちに一日が終わっちゃいました。

――すごくキレイ好きだそうで。

実家にいたときはそんなことなかったのに、東京でひとり暮らしを始めてからキレイ好きになりました!(笑)1回掃除したらすごく楽しくなって、どうせ住むならキレイな部屋に住みたいなって思うようになったんです。体調管理にもなるし、リフレッシュもできますしね。

――時間があるときに、ごはんを食べに行ったり遊びに出かける友だちはいますか?

地元から上京してきた友だちと会うことが多いですね。オンとオフの切り替えをしっかりしたいという気持ちがあって。

――友だちが家に遊びに来たときは、ごはんを作ってあげたりするんですか?

それが最近、まったく自炊をしてないんですよ。デリバリーばっかり。「出前館」というアプリがあって、ピザもお寿司もカレーも中華も、ボタンひとつで注文できるんです。

――便利ですね!

稽古の帰りとかに、電車の中でメニューを見て、家に到着する時間を見計らって注文するっていう。すごく助かってます(笑)。




――では、幸せを感じるのはどんな瞬間ですか?

寝る寸前。

――秒殺ですか?

いえ、僕、寝つきが悪いんです。効果はあまり感じられないけど、オシャレかなと思ってアロマキャンドルを焚いてみたり。

――視聴率ゼロなのに(笑)。

ホントですよね(笑)。あとはお風呂に入ってるときかな。

――今は毎日お忙しいと思うんですけど、まとまった休みがあったら何がしたいですか?

旅行に行きたいですね。でも、長期休暇があるとそれはそれで怖くて。

――怖い?

今年の正月休み、1週間いただけたんですけど、“東京にいなくていいのかな? 仕事しなくて大丈夫かな?”って。自分が休んでいるあいだも、仕事してる人はいるわけですよね。それで心配になっちゃって。

――仕事人間の発想ですね(笑)。

そうですかね(笑)。でも、適度の休みがあればそれでいいんです、今は。



【プロフィール】
黒羽麻璃央(くろば・まりお)/1993年7月6日、宮城県生まれ。AB型。2010年、第23回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストにて準グランプリとAGF賞を受賞。2012年、ミュージカル『テニスの王子様2ndシーズン』にて7代目菊丸英二役で役者デビュー。以後、舞台を中心に活躍。主な出演作は、ミュージカル『刀剣乱舞』、舞台『黒子のバスケ』、タクフェス第4弾『歌姫』など。現在、ドラマ『男水!』(日本テレビ系)に仁科 譽役で出演中。2月18日から舞台『熱海殺人事件 NEW GENERATION』に大山金太郎役で出演。5月には舞台『男水!』が上演予定。
【公式HP】https://kuroba-mario.com/
【Twitter】@vithmic_mario
【Instagram】@mario_kuroba


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■応募方法:ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT


■受付期間:2017年2月17日(金)12:00〜2月23日(木)12:00

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