2.5次元舞台の俳優がテレビ界に殴り込み!? …と、話題のドラマ『男水!』に出演中の黒羽麻璃央。ジュノン・スーパーボーイ・コンテストをキッカケに、17歳で芸能界へ飛び込んだ彼も現在23歳。「もう7年目になるんですか。そろそろ僕も先輩らしくしないと」と微笑んだ。今年は、新たな挑戦となる舞台『熱海殺人事件 NEW GENERATION』や、映像作品への出演も。芸能界に入るときに描いた夢を叶えるために、そして理想の自分に近づくために、彼は歩み続けてゆく。
撮影/アライテツヤ 取材・文/花村扶美 ヘアメイク/泉脇 崇
――現在オンエア中のドラマ『男水!』(日本テレビ系)ですが、連続ドラマのレギュラー初出演になるんですよね。出演が決まったとき、どんな気持ちでしたか?
純粋にうれしかったです。舞台には舞台の魅力があるけど、ドラマは全国の人たちに届けられますから。
――本作は、競泳というスポーツを通して芽生えていく仲間との友情や絆が描かれた青春学園ドラマです。黒羽さんは、水泳の名門校・龍峰高校の部長、仁科 譽を演じています。
撮影は12月に終わってるんですけど、龍峰高校のキャストは、自分より年下の子もいて。年下の子がいる現場って、今まであまり経験したことがなかったので、「麻璃央さん」って呼ばれるのが新鮮でした(笑)。
――若い共演者たちに先輩らしいアドバイスをしたりも?
いやいや、自分は何か言える立場じゃないですから。撮影に入る前に合宿をしていて、そのとき8人部屋だったんですけど、「ここのシーンはどういうふうにしようか?」ってみんなで話し合ったりはしました。
――夜、遅くまで?
いえ、水泳の練習でクタクタなので、夜は爆睡でした。「いびき、うるせぇー!」って(笑)。
――ほとんどのキャストが鼻炎持ちだったとか。
僕も鼻炎なんですけど、爆睡していたので気づかなかったんですよ。でも、起きてるキャストの話を聞いたら、みんなスゴかったらしいです(笑)。
――本当に部活の合宿のようだったんですね。
リアルにそうでしたね。早起きして、泳いでごはん食べてまた泳いで、夜は一緒にお風呂に入って、泥のように寝て……の繰り返し。そのおかげで撮影前から、仲間意識ができあがっていったんじゃないかなって思います。

――役づくりのために7キロ近く絞ったと聞きました。
……正確には『男水!』の撮影が終わってから、ガクンと落ちたんですよね(笑)。体重って急に落ちないそうなので、後からジワジワと効いてきたんだと思います。
――篠塚大樹役の宮崎秋人さんは撮影中、ささみとサラダしか食べてなかったそうですね。
……偉いですね(笑)。僕は出されたら食べちゃうから。『男水!』のときは3食しっかり食べていたかも。起きてるだけで、お腹すごく減らないですか?
――身体を動かしているんだから、なおさらですよね。でも黒羽さんも、食生活を変えたと聞きましたが。
糖質を抜くようにしたり、カフェオレとか甘い飲みものは我慢して、ブラックコーヒーを飲むようにしたり。
――きょうも、糖分入りの飲みものは手にされてませんよね。
撮影が終わった今でもブラックです。……って、この発言、大人の男っぽくないですか?「コーヒーはブラック」って言いたかった(笑)。
――(笑)。体づくりのほかに、仁科部長を演じるにあたって意識したことはありますか?
仁科自体が、部長部長してる感じじゃないので、特には何も。彼はのほほんとしてる人間なんですよね。
――たしかに、部員たちをあたたかく見守ってるという印象があります。
締めるときは締めるけど、普段からガツガツしてないし、フレンドリーですよね。今まで共演したことがある人たちばかりだったので、まわりに気を使わなくてよかったから、自然とフレンドリーな空気感が出せたかなと思います。


――黒羽さんは小中高と野球部だったそうですが、水泳の経験はありましたか?
学校の授業や夏休みのプール、あとは母親が水泳をやっていたので、一緒に泳ぎに行ったりしてました。ただ自己流だったので、フォームはヒドかったです。自分が泳いでる動画を見て、マジか!?って(笑)。俺ってこんな泳ぎをしていたのかってショックでした。
――どんなフォームだったんですか…?
クロールなんですけど、溺れてるようにしか見えなくて(苦笑)。それで、フォームをイチから直すところから始めました。フォームを正すと、スピードも上がるんですよ。
――練習では、どれくらい泳ぐんですか?
僕はそんなに泳ぐシーンはなかったんですけど、それでも個人練習があって、その後、全体練習をして、毎日キロ単位で泳いでました。1日8時間くらい水中にいる人もいましたね。
――いろんな角度から何度も撮影しますし、一発OKというわけにはいかないですよね。
そうなんですよ。「まだ泳ぐの!?」って。それでも、いい絵が撮れるならって、みんな歯を食いしばってやってましたね。
――個性豊かなキャストが集まっていますが、現場の雰囲気はいかがでした?
動物園みたいでした(笑)。
――(笑)。舞台『私のホストちゃん』で共演した廣瀬智紀さんも、東ヶ丘高校の水泳部コーチ役で出演してますね。
智紀くんは僕にとって、本当にいいお兄ちゃん。僕の師匠的な存在というか、背中を追っていく先輩の役が多いんですよね。プライベートでもお兄さんみたいで、大好きな存在です。
――同じく東ヶ丘高校の原田ダニエルを演じる神永圭佑さんは、第23回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストの同期ですよね。
そうです。圭佑は……俺より1つ下なのに、なんか老けてる(笑)。いや、23代のみんな老けたなって思いました、自分も含めて。でも、そりゃあそうですよね。ジュノンボーイって今年で30回を迎えるから、僕らはこの世界に入って7年目になるわけで……。
――7年目。現場に年下の共演者がいるのも納得ですね(笑)。
うわー……そっか。ヤバい! 芸能界で7年もやってるんだ。頑張らなきゃ。もっとしっかりします!(笑)

――主演の松田 凌さんをはじめ、2.5次元舞台を中心に活躍しているキャストばかりで、地上波ドラマに出演するというのはすごい挑戦ですよね。この状況を黒羽さん自身はどう思っていますか?
ほかのキャストのみなさんがどう思っているかわからないですけど、僕は映像でも活躍したいとずっと思っていたので、とてもうれしいです。舞台は舞台、映像は映像というふうにわかれていたところがあったと思うんですけど、『男水!』は、2.5次元舞台を中心にやってきた人たちが、映像に出ていくいいキッカケになったと思います。
――垣根がなくなればいいなと?
そうですね。僕たちがその先駆けになれたらなって。
――舞台と映像とでは、求められる芝居も違ってくると思います。
いちばん違うのは、声の発声の仕方ですかね。今、舞台の稽古中なんですけど、喉が壊れそうですもん。声を張る役なので、ひさびさに喉がキツくて。最近、映像が立て続けにあったので余計にそれを感じます。舞台が終わって、また映像のほうへ行くのがちょっと怖いですね。
――どういうところが怖いですか?
映像はお客さんのことを意識せず、自然に会話しているところをカメラに抜いてもらうけど、舞台は声を張ってしゃべったりアクションもオーバーだったりするので、見せ方が全然違うんです。その切り替えが上手にできるかが不安で……。僕、器用じゃないので。
――なるほど。
あと、映像は同じシーンを何回も撮影するので、同じ芝居をしないといけないんですよね。前後のつながりとかもあるし。舞台だったらその場その場でよかったりするものがあるんですけど、“さっきと同じヤツ”を何回もやらないといけない難しさもあって。
――確かに…。それでもやっぱりドラマ出演にこだわりたい?
そうですね。ドラマに出るっていうのは、ずっと昔から僕自身が望んでいたことだったので。今回の『男水!』は、僕にとってすごく大きな一歩で、やっとスタートラインに立てたなって感じてます。
――黒羽さんにとってドラマは特別なんですね。
この世界に興味を持ったのが、ドラマだったんです。地元の仙台にいたときは、そもそも舞台を見る習慣がなかったから、芸能のお仕事と言えば、ドラマか映画、みたいな。去年あたりかな、なんでこの世界に入ったんだっけ?って考えたときに、「あ、そうだ。ドラマに出たくてこの世界に入ったんだ」って思い出したんです。
――そうだったんですね。
もちろん、僕をここまで育ててくれたのは舞台なので、感謝してもしきれない気持ちはあります。でも今回、ドラマに出たことで、「やっぱりドラマ、好きだなぁ」って気持ちを再確認しました。これからもっと映像作品に出演できるように頑張ります。
撮影/アライテツヤ 取材・文/花村扶美 ヘアメイク/泉脇 崇
まるで部活! 過酷な合宿を経て仲間意識が高まった
――現在オンエア中のドラマ『男水!』(日本テレビ系)ですが、連続ドラマのレギュラー初出演になるんですよね。出演が決まったとき、どんな気持ちでしたか?
純粋にうれしかったです。舞台には舞台の魅力があるけど、ドラマは全国の人たちに届けられますから。
――本作は、競泳というスポーツを通して芽生えていく仲間との友情や絆が描かれた青春学園ドラマです。黒羽さんは、水泳の名門校・龍峰高校の部長、仁科 譽を演じています。
撮影は12月に終わってるんですけど、龍峰高校のキャストは、自分より年下の子もいて。年下の子がいる現場って、今まであまり経験したことがなかったので、「麻璃央さん」って呼ばれるのが新鮮でした(笑)。
――若い共演者たちに先輩らしいアドバイスをしたりも?
いやいや、自分は何か言える立場じゃないですから。撮影に入る前に合宿をしていて、そのとき8人部屋だったんですけど、「ここのシーンはどういうふうにしようか?」ってみんなで話し合ったりはしました。
――夜、遅くまで?
いえ、水泳の練習でクタクタなので、夜は爆睡でした。「いびき、うるせぇー!」って(笑)。
――ほとんどのキャストが鼻炎持ちだったとか。
僕も鼻炎なんですけど、爆睡していたので気づかなかったんですよ。でも、起きてるキャストの話を聞いたら、みんなスゴかったらしいです(笑)。
――本当に部活の合宿のようだったんですね。
リアルにそうでしたね。早起きして、泳いでごはん食べてまた泳いで、夜は一緒にお風呂に入って、泥のように寝て……の繰り返し。そのおかげで撮影前から、仲間意識ができあがっていったんじゃないかなって思います。

「コーヒーはブラック」食生活を変えて-7キロ!?
――役づくりのために7キロ近く絞ったと聞きました。
……正確には『男水!』の撮影が終わってから、ガクンと落ちたんですよね(笑)。体重って急に落ちないそうなので、後からジワジワと効いてきたんだと思います。
――篠塚大樹役の宮崎秋人さんは撮影中、ささみとサラダしか食べてなかったそうですね。
……偉いですね(笑)。僕は出されたら食べちゃうから。『男水!』のときは3食しっかり食べていたかも。起きてるだけで、お腹すごく減らないですか?
――身体を動かしているんだから、なおさらですよね。でも黒羽さんも、食生活を変えたと聞きましたが。
糖質を抜くようにしたり、カフェオレとか甘い飲みものは我慢して、ブラックコーヒーを飲むようにしたり。
――きょうも、糖分入りの飲みものは手にされてませんよね。
撮影が終わった今でもブラックです。……って、この発言、大人の男っぽくないですか?「コーヒーはブラック」って言いたかった(笑)。
――(笑)。体づくりのほかに、仁科部長を演じるにあたって意識したことはありますか?
仁科自体が、部長部長してる感じじゃないので、特には何も。彼はのほほんとしてる人間なんですよね。
――たしかに、部員たちをあたたかく見守ってるという印象があります。
締めるときは締めるけど、普段からガツガツしてないし、フレンドリーですよね。今まで共演したことがある人たちばかりだったので、まわりに気を使わなくてよかったから、自然とフレンドリーな空気感が出せたかなと思います。


もっと速く、もっとキレイに…ひたすらに泳ぐのみ!
――黒羽さんは小中高と野球部だったそうですが、水泳の経験はありましたか?
学校の授業や夏休みのプール、あとは母親が水泳をやっていたので、一緒に泳ぎに行ったりしてました。ただ自己流だったので、フォームはヒドかったです。自分が泳いでる動画を見て、マジか!?って(笑)。俺ってこんな泳ぎをしていたのかってショックでした。
――どんなフォームだったんですか…?
クロールなんですけど、溺れてるようにしか見えなくて(苦笑)。それで、フォームをイチから直すところから始めました。フォームを正すと、スピードも上がるんですよ。
――練習では、どれくらい泳ぐんですか?
僕はそんなに泳ぐシーンはなかったんですけど、それでも個人練習があって、その後、全体練習をして、毎日キロ単位で泳いでました。1日8時間くらい水中にいる人もいましたね。
――いろんな角度から何度も撮影しますし、一発OKというわけにはいかないですよね。
そうなんですよ。「まだ泳ぐの!?」って。それでも、いい絵が撮れるならって、みんな歯を食いしばってやってましたね。
――個性豊かなキャストが集まっていますが、現場の雰囲気はいかがでした?
動物園みたいでした(笑)。
――(笑)。舞台『私のホストちゃん』で共演した廣瀬智紀さんも、東ヶ丘高校の水泳部コーチ役で出演してますね。
智紀くんは僕にとって、本当にいいお兄ちゃん。僕の師匠的な存在というか、背中を追っていく先輩の役が多いんですよね。プライベートでもお兄さんみたいで、大好きな存在です。
――同じく東ヶ丘高校の原田ダニエルを演じる神永圭佑さんは、第23回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストの同期ですよね。
そうです。圭佑は……俺より1つ下なのに、なんか老けてる(笑)。いや、23代のみんな老けたなって思いました、自分も含めて。でも、そりゃあそうですよね。ジュノンボーイって今年で30回を迎えるから、僕らはこの世界に入って7年目になるわけで……。
――7年目。現場に年下の共演者がいるのも納得ですね(笑)。
うわー……そっか。ヤバい! 芸能界で7年もやってるんだ。頑張らなきゃ。もっとしっかりします!(笑)

「ドラマに出たくて、僕はこの世界に入ったんだ」
――主演の松田 凌さんをはじめ、2.5次元舞台を中心に活躍しているキャストばかりで、地上波ドラマに出演するというのはすごい挑戦ですよね。この状況を黒羽さん自身はどう思っていますか?
ほかのキャストのみなさんがどう思っているかわからないですけど、僕は映像でも活躍したいとずっと思っていたので、とてもうれしいです。舞台は舞台、映像は映像というふうにわかれていたところがあったと思うんですけど、『男水!』は、2.5次元舞台を中心にやってきた人たちが、映像に出ていくいいキッカケになったと思います。
――垣根がなくなればいいなと?
そうですね。僕たちがその先駆けになれたらなって。
――舞台と映像とでは、求められる芝居も違ってくると思います。
いちばん違うのは、声の発声の仕方ですかね。今、舞台の稽古中なんですけど、喉が壊れそうですもん。声を張る役なので、ひさびさに喉がキツくて。最近、映像が立て続けにあったので余計にそれを感じます。舞台が終わって、また映像のほうへ行くのがちょっと怖いですね。
――どういうところが怖いですか?
映像はお客さんのことを意識せず、自然に会話しているところをカメラに抜いてもらうけど、舞台は声を張ってしゃべったりアクションもオーバーだったりするので、見せ方が全然違うんです。その切り替えが上手にできるかが不安で……。僕、器用じゃないので。
――なるほど。
あと、映像は同じシーンを何回も撮影するので、同じ芝居をしないといけないんですよね。前後のつながりとかもあるし。舞台だったらその場その場でよかったりするものがあるんですけど、“さっきと同じヤツ”を何回もやらないといけない難しさもあって。
――確かに…。それでもやっぱりドラマ出演にこだわりたい?
そうですね。ドラマに出るっていうのは、ずっと昔から僕自身が望んでいたことだったので。今回の『男水!』は、僕にとってすごく大きな一歩で、やっとスタートラインに立てたなって感じてます。
――黒羽さんにとってドラマは特別なんですね。
この世界に興味を持ったのが、ドラマだったんです。地元の仙台にいたときは、そもそも舞台を見る習慣がなかったから、芸能のお仕事と言えば、ドラマか映画、みたいな。去年あたりかな、なんでこの世界に入ったんだっけ?って考えたときに、「あ、そうだ。ドラマに出たくてこの世界に入ったんだ」って思い出したんです。
――そうだったんですね。
もちろん、僕をここまで育ててくれたのは舞台なので、感謝してもしきれない気持ちはあります。でも今回、ドラマに出たことで、「やっぱりドラマ、好きだなぁ」って気持ちを再確認しました。これからもっと映像作品に出演できるように頑張ります。
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