インターネット上で「寿司のシャリを残す行為は許せるか」という内容のニュースが話題となった。

ダイエットのため、寿司のネタだけを食べ、シャリを残す女性が急増しているのだという。そんなニュースに対して、「だったら寿司屋に行くな!」「食べ物を粗末にするな!」「世界には食べたくても食べられない人がいるんやで!」と、世間から怒りの声があがったのである。

強いバッシングの嵐





寿司のネタだけを食べる行為は、刺身を食べているに等しいと判断する人が多い。もちろん、ネタだけ食べるとシャリが残る。残せば厨房のゴミ箱行きだ。



そのためインターネット上では「だったら刺身を食べればいいだろ」という声が多数あがっており、寿司のシャリを残す女子に対して強いバッシングの嵐が吹いている。

ネットで騒ぐ声に「遺憾です」



しかし、寿司のシャリを残す行為を「間違い」だと断定していいのだろうか。モラルを掲げてリンチのようにバッシングしていいのだろうか?

そこで今回、日常的にシャリを残している霧島輝星さん(きりしまきらら / 21歳)と接触し、お話を伺った。彼女は宮崎県出身で、キャバクラで働く女子。彼女によると、今回のニュースをスマホで読んで憤慨しており、非常に遺憾だという。

彼女の正直な気持ち



以下は、彼女が語ってくれたコメントの抜粋である。あくまで彼女の正直な気持ちをストレートに表現した個人の見解なので、そのあたり念頭に置いて読んでいただきたい。





シャリを残す霧島輝星さんのコメント



「寿司のシャリを残すのはもったいない。それは理解できます。しかし、批判している皆さんは、その『もったいない』の価値まで考えているのでしょうか。もったいないを優先することにより、失うものもあるんです」

「私は体形維持と体調管理のため、寿司を食べるときシャリを残すことにしています。そんな私が、皆さんがおっしゃる通り、食欲の赴くままにシャリを食べたとしましょう。ぶくぶくと太り、体形が維持できなくなり、肉体の魅力を使った私の仕事はできなくなります」

「そもそも、女性は美を追求したいと思うもの。学生さんであれ、OLさんであれ、体形の維持は重要なのです。」

「シャリを残すいちばん重要な理由が、体調管理です。シャリはお米ですから糖質がたっぷりと含まれているんです。」

「例えば、欧米では、ハンバーガーを出されても、レタス、ピクルス、お肉だけ食べて、パンを残す女子が多いんですよ。私の友人のジェシカなんて、ハンバーガーにトマトソースすらかけません。調味料なしでレタスとお肉だけ食べます。糖質がたっぷりと入っているからです」



「良い例があります。大半の方は、ラーメン屋に行っても、麺を食べてスープを残されます。それはエネルギーや塩分を摂りすぎるといけないからでしょう? むしろスープをゴクゴク飲むと『大丈夫?』なんて言ってくる人もいます。なぜ寿司のシャリを残すのはダメで、ラーメンのスープは残したほうが良いのですか? 寿司もラーメンも同じではないのですか?」



「ここまで説明すると、必ず出てくる反論があります。『寿司じゃなくて刺身を食べろ』です。わからないかもしれませんが、寿司と刺身は別物なんです。私は寿司として出されたネタが好きなんです。ほんのりわさび、ほんのり酢の移り香、その双方がネタから醸す味は、刺身からは得られないのです。

また、刺身と寿司ではカットの大きさも違います。それに、刺身を食べる場所には気軽に入れません。サッと入って食べられるお寿司屋さんだからこそ、サッと手軽に新鮮な魚介を楽しめるのです。もちろん刺身が食べられるお寿司さんもたくさんありますが、ひとつのネタを2カンで食べられるのが刺身との大きな違いですね」

「残す理由をしっかり説明しても、まだシャリを残すなと怒る人はいると思います。そうであれば、私を養ってくれるのですか? 皆さんのおっしゃる通り、シャリも残さず食べ続け、病気になっても一生面倒を見てくれるのですか?」

残したくて残していない





……と、思いをしっかりと話してくれた彼女。そもそも彼女、寿司は大好きで、食べられるものならシャリまで食べたいのだという。皆さんは、彼女の意見をどうお思いだろうか?

■執筆・監修:Mr. Fox

執筆、撮影、編集家。日本生まれ、生年不詳、トレードマークはキツネの顔。世界各国を回りながら、メディアに関わる仕事をしてます。人のアイデアを転がします! コンコン。https://twitter.com/im_mr_fox/