今回は特別企画としてデジカメに匹敵する最新スマートフォンのカメラ機能をチェックしてみたいと思う。
第一回目は、NTTドコモとauが発売している「GALAXY S7 edge」(サムスン電子製)だ。

前機種である「Galaxy S6edge」には約1600万画素イメージセンサーが搭載されていたのだが、Galaxy S7 edgeは画素数を約1220万画素に落とし、ピクセルサイズを大きくして光を多く取り込むことで画質改善を図る方法を選んでいる。
実際、ポスター印刷でもしない限り4K(3840×2160ドット)動画も撮れる800〜1000万画素程度あれば、画質的には十分であるのは確かなので、この判断は間違ってはいない。

また、オートフォーカスのスピードを向上するために、全画素に位相差センサーを搭載するデュアルピクセル技術を採用している。

さらに、標準カメラの機能でイメージセンサーの情報をそのまま記録するRAWデータ(DNG形式)での保存も可能となった。RAWで記録しておけば、後からホワイトバランスや露出を調整することが可能であるとともに、パソコン上で他のデジタルカメラと同じ絵作りを施すこともできる。
まさに、スマートフォンの携帯性とデジカメの良いところを全て取り込んだ格好だ。



基本的にはオートモードがベースとなっている。
・シャッターボタンをタップして静止画撮影
・録画スタートボタンをタップして動画(4K、FHD60pに対応)を撮影
画面左にはセルフタイマーなど各種機能が並ぶ。



フィルム風、レトロ風といった個性的なフィルター機能で、仕上がりを確認しながら撮影することもできる。また、フィルター機能は効果を調整することも可能で、被写体にあわせて最適な結果が得られる。



「モード」アイコンから撮影モード一覧を呼び出す。
「パノラマ」、「ハイパーラプス」などのほかに、ピント位置を後から変更できる「選択フォーカス」や被写体の全周を撮影できる「バーチャルショット」などもある。



「プロ」モードは、デジタル一眼カメラのように、被写体を面で捉えるように緑のAF(オートフォーカス)フレームが複数表示される。
これだけでも、スマホのカメラとしては、十分「おおっ」と思える機能だ。

画面の右にはカラーモードや、ホワイトバランス、ISO感度のアイコンが並ぶ。
写真では、ホワイトバランスをコントロールしているところだ。オートモードでは黄色が強くですぎるようなシーンでも、プロモードならホワイトバランスを適性に微調整してから撮影ができる。

また、プロモードは設定でRAWデータとJPEG同時記録が可能となる。
この機能のおかげで、撮影時はホワイトバランスを気にせず撮影して、後からホワイトバランスを調整することも可能だ。

Galaxy S7 edgeのホワイトバランスは正確で色に癖がない。
これはこれで便利なのだが、料理などの被写体ではやや味気なくなる。
そんなときには写真に暖かみを加える「食事」モードの出番だ。



左がオートで撮影したもの。色合いは正確でこれでも十分だが、食事モードなら暖かみのある色合いとなり、美味しそうな赤に見える。
さらに撮影時にタップした部分を中心として、その周りを少しぼかすことで全体的に柔らかい印象にもなる。
料理だけではなくスイーツ撮影などでも効果を発揮する。

強烈な個性が得られるフィルター機能も楽しいものだが、RAWデータは色合いから空気感までコントロールすることでGalaxy S7 edgeで撮った写真を作品に昇華することができる。



こちらはプロモードで撮ったJPEGデータ。細部までしっかりと写っており、竹の葉がつぶれずに一つ一つ描写されている。



アドビの「Photoshop Lightroom」というソフトでRAWデータを「現像」しているようすだ。
ホワイトバランスを調整し、曇天だったのだが夕日が当たっているような空気感を出してみた。

JPEGデータでも同様に色合いや階調の調整も可能だが、調整幅が大きい場合は階調が破綻したり、絵が粗くなったりしてしまう。スマートフォンの小さな画面ではあまり気にならないが、パソコンの大きな画面では粗が見えてしまうのだ。

Galaxy S7 edgeはスマートフォンならではの撮影機能と、デュアルピクセルによる高速オートフォーカスでデジカメのようにサクサクと撮影できる点が良いと感じた。さらに、コンパクトデジカメを凌駕する本格的な編集が可能なRAWデータ対応は、写真好きにはたまらない機能であると言える。


記事提供:クチコミjp(http://kuchikomi-web.jp/blog)