現地時間5日にブラジルで開幕したリオデジャネイロ・オリンピック(リオ五輪)では、連日各競技において熱戦が繰り広げられている。日本選手の活躍を見るべく早起きする人も少なくないだろう。なにせ、ブラジルは日本の裏側にあるのだから。しかしこの国が、日本と浅からぬ繋がりを持っていることは、日本人であれば大概の人が知っているはずだ。

 中国メディア・鳳凰網は8日、「リオ五輪の開会式で、まさかこんなに多くの日本のエッセンスが存在するとは思いもよらなかった」とする記事を掲載した。記事は、豪華絢爛な演出にブラジルの歴史、文化、社会が盛り込まれた開会式において「非常に明らかな日本のエッセンス」が表現されていたと説明。開会式の演出のなかで19世紀の中東移民ブームに続いて日本人の移民ブームが起こり、現在も多くの日本人コミュニティが存在するほか、柔術や禅、仏教といった文化を持ち込んだことが描かれていたと伝えた。

 そのうえで、1908年に日本の農民たちが神戸からブラジルへ渡った以降の歴史を紹介。移民たちはコーヒー農場で労働に従事しながら現地に定住して子孫を作っていったこと、第2次世界大戦中には一度往来が途絶えるものの、戦争による両国の関係悪化から日本語教育が禁止され、日本語のできない日系人が登場するようになったこと、戦後になって関係か改善して移民が再開され、1980年代になると多くの日系ブラジル人が日本へ仕事を求めてやってくるようになったことなどを説明した。

 そして、100年間に及ぶ大量の移民によって、現在ブラジルは世界で最も日系人が多く存在する国となっているとし、およそ150万人の日系人が現地で生活していると伝えている。

 リオ五輪閉幕から数日後、浅草でサンバカーニバルが開かれる。リオでフィナーレを迎えた興奮と熱狂が、浅草へ引き継がれる……というのはかなりオーバーではあるが、当日に浅草を訪れる外国人観光客たちは、日本とブラジルとの繋がりに関心や興味を持つことになるかも知れない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)rawpixel/123RF.COM)