今年も8月15日の終戦記念日が近づいてきた。中国にとって対日戦争の「戦勝記念日」は降伏文書が調印された9月3日とされるのが一般的だ。この日に向けて、中国のネット上では「小日本」という言葉が多く見受けられることだろう。

 中国メディア・今日頭条は27日、「どうして日本のことを『小日本』と呼ぶのか」とする記事を掲載した。記事は「日本と聞くとわれわれは意識的に『小日本』と呼ぶ」としたうえで、その理由が一体どこにあるのかについて考察している。

 まずは、地理的な理由として、日本の国土面積が中国に比べてはるかに小さいことを挙げた。続いて、古代中国では日本人を背が低いことを意味する「倭人」と呼んでいた、日本による侵略戦争時に現地人が日本のことを「大日本帝国」と呼ばされていたことに対する恨み、という歴史的な要素を示した。さらに、「かわいい」といった言葉にも代表されるように、日本の文化が小さくて精緻なものを良しとする性質を持っているため、という文化的な点についても示した。

 そのうえで、「最も根本的なものは、やはり当時の日本の侵略によって生まれた、われわれの民族的な恨みから来るものだと思う」と説明。「小日本」は日本人に対する中国人による蔑視を示す語であり、1930年代から40年代にかけての「地獄のような歳月」において、またたく間に中国の同胞で広まった、「日本の軍国主義、日本の侵略者に対する怒りと憎悪」が込められた名称なのであると論じている。

 一度つけられた名称、特に民族的な感情が込められた蔑称というのは、そう簡単に消え去るものではない。われわれは今後も一部の中国人が「小日本」という言葉を発し続けるのを見聞きする事になるだろう。ただ、文章が指摘する通り「日本の軍国主義や侵略者に対する怒りや恨み」を理由に「小日本」という言葉を用いる人は、今の世代の日本人に対しても「侵略に対する怒りや恨み」を抱いている、ということになりはしないだろうか。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)