文部科学省は、2016年10月に開催される国際会議「スポーツ・文化・ワールド・フォーラム」(以下フォーラム)を前に、企業トップらに新たに委嘱した同フォーラムのアンバサダー5人のうち3人の就任式を7月19日に行った。フォーラムは、20年の東京オリンピック・パラリンピックを始め、日本で開催される大規模なスポーツイベントを観光と連動させつつ、スポーツ・文化・ビジネスのつながりや国際貢献について議論し、情報を発信するために開かれる。

"All Together"の精神で経済と文化を結びつける

フォーラムの認知拡大を担うアンバサダーにはすでに、米大リーグ、ヤンキースなどで活躍した元プロ野球選手の松井秀喜さんや北京・アテネ・ロンドンと五輪3大会連続で金メダルを獲得した女子レスリングの伊調馨さんらが就任している。今回新たに就任したのは、ANAホールディングスの片野坂真哉社長、損保ジャパン日本興亜ホールディングスの櫻田謙悟社長、日本電気(NEC)の遠藤信博社長明治安田生命保険の根岸秋男社長と森ビルの辻慎吾社長の5人で、就任式には片野坂社長、櫻田社長、遠藤社長が出席した。

就任式では馳浩文部科学大臣が3人に就任状を授与し、フォーラムの趣旨を

「日本は観光面でまだまだ海外からのお客が少ない。それは日本の良さを発信する力がまだ弱いからではないかと。スポーツとか文化とか経済活動をばらばらに行うのではなく、我が国の精神文化や歴史、食文化など様々な価値観を"All Together(みんなで協力して)"の精神で結びつけることによって、2020年以降の豊かな社会づくりに活かしていこうというと考えています」

と説明。3氏はそれぞれ、アンバサダー就任にあたり次のように述べた。

遠藤氏「スポーツは人を、ひいては社会を変える力があります。今回の会議でスポーツ・文化の力について経済的な観点から考え、今の時代に必要な文化、将来残すべき文化について話し合うこと期待しています」

片野坂氏「より多くの人が観光を通じて消費を増やすことは大事です。その中にスポーツイベントや消費も含まれています。そういう意味ではスポーツ文化経済がコラボレーションする本フォーラムには非常に意義があると思います」

櫻田氏「日本を世界にもっと売り出すためには、少子高齢など今の日本が抱えている先進的な課題を解決する必要があります。解決へのベースとなるのが日本人の精神的な文化。文化とテクノロジーが一緒になったとき、世界に誇れる新しいビジネスモデルができると考えています。こういった視点で見ると、今回のフォーラムへの期待が非常に大きいです」

フォーラムの詳細は公式サイトで知ることができる。