7月8日、日本外国特派員協会(東京都千代田区)で行われた「国際陶磁器フェスティバル美濃'17」の記者発表会にサッカー元日本代表の中田英寿氏が登壇した。

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「国際陶磁器フェスティバル美濃」は、1986年より3年に1度開催され、世界最大級の陶磁器コンペティションを中心とする国際的にも認知された祭典。前回の2014年には、世界60の国と地域から1247名、2579点の応募があった。2017年に11回目を迎えるにあたり、さらなる「国際化」を推進していくとして、今年2月には公募により選出された中田氏が総合プロデューサーに就任した。

実行委員会会長を務める岐阜県多治見市長・古川雅典氏は「こういった会場での記者発表会も初めての試み。中田さんの国際的な人脈によって世界に向けた情報発信をすること、またそれだけではなく、世界から、わが美濃の地にお越しいただくということを計画しています。生まれも育ちもずっと地元であると、世界にどのように挑戦をしていいのか、見当が付きませんでした。中田さんの提案をもとに議論を行ってきましたし、今後もそうしていきます」とコメント。

中田氏は、総合プロデューサーとして、「サッカーをやめて以来、海外と日本全国を回り、ちょうど昨年の12月にひと段落終えて。たくさんの素晴らしいもの、素晴らしい人に触れてきましたが、僕も全国を回るまで知らなかったし、まだ知らない人も多いわけです。こういったものに対して何かしたいと思っていた時にこの話をいただいて。自分がこれまで知り合ってきた人たち、感動してきたものをもっと人に伝えたいと思って協力させてもらいます。自分がやりたかったことの一つだったので、非常にうれしく思いました」とコメント。

「日本の陶磁器は素晴らしい。また、同じように世界にも素晴らしい焼き物があります。そのなかでも特に美濃の地には素晴らしい陶芸家がたくさんいます。このコンペは、日本のいいものを発信する、ということではなく、“世界が日本を目指してやってくる”ためのコンペというのが重要なポイントです」と話し、「世界はいま、安く早く簡単に、といった状況だと思いますが、ラグジュアリーとは何か、と考えたときに、手作りが最大のラグジュアリーではないかと。それを多くの人に伝え、理解してもらう努力をする。それは日本だけじゃなく世界でも重要なことじゃないかなと。そういったものが、世界的に見てもたくさん残っている日本から発信していく。フェスティバルを知ってもらい、より多くの人に参加してもらうというのは重要なことだと考えています。アート、デザイン、建築など様々なコンペを含めたなかで世界一を目指せるような位置づけのものにできたら」と展望を語った。

コンペティションで選出された作品は2017年9月から10月にかけ、岐阜県多治見市のセラミックパークMINOで展示。芸術の秋を楽しみに待ちたい。【東京ウォーカー】