そういった本田監督の期待を、肌で感じているのだろう。横山も「どの試合でも囲まれることは想定内にしています。それを打開できる力、判断を身に付けないといけない」と呼応する。
 横山は6月2日、5日にアメリカと国際親善試合を戦う“高倉ジャパン”に選出された。チームメイトの國澤によると、高地コロラドでの第1戦に向けて、マスクを二重にしてトレーニングに励むなど対策を進めていたという。それも「アメリカ相手でも、心折れずに仕掛けたい」、「今回限りではなく、代表に定着できるよう頑張りたい」(横山)という決意の表われだろう。元日本女子代表の本田監督は、アメリカ相手にどこまで自分のプレーを出せるかが鍵だと話す。
 
「日本では身体を入れればほとんどボールを取られないパワーがありますけど、自分と対等以上の選手に対して、どう身体を入れて、どう身をこなして、バランスを取りながら点を取るか。アメリカの選手はリーチもスピードもあるので、緩急をつけることも大事になると思います。ぜひトライしてほしいですね」
 
 浦和L戦には、ともにアジア最終予選を戦い、同じく代表に選出された大儀見(永里)優季(フランクフルト)と岩渕真奈(バイエルン)が観戦に駆け付けた。しかし、主力にのし上がるためには、彼女たちの背中ばかりも見ていられない。「長野から世界へ」――。クラブビジョン同様、世界と戦うなでしこジャパンのエースとなれるか。横山の挑戦の“第2章”がいよいよ幕を開ける。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)