香川の身長は175センチ(もう少し小さいように見えるが)。対する本田は182センチ。180センチを越えると巧い選手の数が途端に減る日本にあって、本田は貴重な選手に見えた。フィジカルでもありテクニカルでもあるバランスのよさが魅力だった。実は巧い選手として成立していた。09〜10シーズンのチャンピオンズリーグから2010年W杯を挟み、2011年のアジアカップぐらいまでは、日本にかつてない選手、今日的な光る選手として通っていた。リーグランキングナンバーワンのスペインでも、十分やって行けそうな気配を感じたが、その後、失速。怪我の影響だと思われるが、少なくともフィジカル面で大きく後退した。
 
 現在、実は……という奥ゆかしいプレイを見せることができている日本人選手は岡崎。先月行われたアフガニスタン戦のゴールは、まさに実は……を見せつけられた瞬間と言えた。得点に繋がったそのステップとターンは、相手が弱かったとはいえ、特筆に値した。

 表には現れにくい奥に潜む魅力がどれほどあるか。つまり、懐がどれほど深いか。語られていること、知られていること以外の魅力が、日本には不足している。思わぬ発見、驚きが少ない国。外国人にはいまの日本がそう見えているのではないかと僕は思う。