今年の1月15日、米マイクロソフトはSkylake搭載パソコンでのWindows 7/8.1のサポートを2017年7月17日までにすると発表した。

ところが、3月18日、突然、その方針が再度変更された。
サポート期間が1年間延長されたのだ。

今回は、その詳細を報告しよう。

●Skylake搭載パソコンのWindows 7/8.1のサポートは2018年7月17日まで
米マイクロソフトは、今年の1月15日、インテルの第6世代CPU 「Skylake」を搭載したパソコンで、Windows 7/8.1のサポートを2017年7月17日までにすると発表した。
ところが、
3月18日、突然、この方針を変更し、サポート期間を1年間延長すると発表した。

整理すると次のとおりだ。

<1月15日発表>
Skylake搭載パソコンのWindows 7/8.1のサポート……2017年7月17日まで

<3月18日発表>
Skylake搭載パソコンのWindows 7/8.1のサポート……2018年7月17日まで

また、Skylake搭載パソコンに対して、次の期間中、すべての緊急のセキュリティ更新プログラムを提供することも発表された。

・Windows 7……2020年1月14日まで
・Windows 8.1……2023年1月10日まで

とりあえず、今回の変更によって、Skylake搭載のパソコンでWindows 7/8.1を使いたいユーザーは、一安心といってよいだろう。
自分のパソコンがSkylakeを搭載しているかどうかは、各メーカーのホームページで確認してほしい。

1月の発表では、メーカー各社は対応に追われたようだ。
さらに、今回の発表により、追加対応が必要になったことで、しばらくバタバタするかもしれない。

なお、現在、Windows 10を使っているユーザーやパソコンでは、今回の変更は何の問題もない。

今回の変更に関係するのは、
・Skylake搭載パソコン
・Windows 7/8.1を使っているユーザー
この2つの条件に合致するユーザーとパソコンだけだ。


Skylake搭載パソコンにおけるWindows 7/8.1のサポートの1年間延長について発表されたページ


●ハードは最新でも古いWindowsが必要なケースはある
今回の再度行われた方針変更は、ユーザーからのフィードバッグを受けてのことだったようだ。

1年間の延長という変更は、結果としてはいい方向、着地点に至ったと思う。
しかし、こうコロコロ方針や仕様が変更されたのでは、メーカーとユーザーの混乱は避けられない。
もうちょっと慎重に検討してもらえればと、正直、思う。

個人ユーザーの場合、
Skylake搭載パソコン+Windows 7/8.1という組み合わせは、自作パソコンがほとんどで、市販の完成品パソコンを購入しているユーザーは少ないと思われる。
しかし、
企業で使用しているパソコンとなると話は異なる。
Skylake搭載パソコン+Windows 7/8.1で利用しているケースは、けっして珍しくない。

むしろ、さまざまな事情で、最新のハードウェアを利用して、旧OSを利用しなければならない企業は多いだろう。

企業における業務では、やみくもにOSを最新にできないケースは多いのだ。

たとえば、
医薬品に関連する企業では、人の生命に関わる。
それだけに、ITシステムを変更する際は、十分な安全性と業務に支障が起きない確認をする必要に迫られる。こうした事情から、複雑で面倒な手続きを踏まなければならないという。
OSを変更するだけでも、OSやアプリケーションの動作検証を行い、報告書の作成・提出が義務づけられているそうだ。
こうした作業には、当然、お金も人手も、時間もかかる。

このほかにも、企業によって古いブラウザでないと業務システムが動かないといった環境もある。こうしたケースでは、企業内のシステムを最新OSに対応させるまでは、最新のWindowsが使えないという状況があるのだ。

いずれにしても、今回のマイクロソフトのサポートポリシー変更は、ユーザーからのフィードバックが功を奏した例といえるだろう。

今後も、ソフトウェアメーカーのサポートポリシーの変更に対して異議がある場合は、積極的にフィードバッグした方がいいのかもしれない。

1月15日のマイクロソフトの発表(日本語訳)
3月18日のマイクロソフトの発表(日本語訳)
1月15日の発表を受けてライブドアニュースで筆者が書いた記事


井上健語(フリーランスライター)