(台北 22日 中央社)台湾鉄路管理局が21日に運行を開始した車体にハローキティのイラストなどがラッピングされた特急列車で、各座席に取り付けられた特製ヘッドレストカバー328枚が乗客らによって持ち去られていたことが分かった。同局では「止めてほしい」と呼びかけている。

カバーは前面に日本製の特急車両、タロコ号の先頭車両と運転士姿のキティちゃん、裏面には踏切と「旅途平安(道中ご無事で)」と声をかけるキティちゃんのイラストが描かれていた。

同車は8両編成で全376席。この日は樹林(新北市)−台東間を1往復した。同局では持ち去られることを考慮して120枚のスペアを準備していたが、結果的に9割弱のカバーがなくなった。

同局によると、特製カバーの製造コストは通常のものに比べ2倍かかっており、損失は1万6000台湾元(約5万5200円)以上に達するという。

関係者は「可愛さに思わず持ち帰ってしまったのだろう」と一定の理解を示すが、「公共の物を大事にしてほしい」と語った。

(汪淑芬、李先鳳/編集:齊藤啓介)