東京・表参道。平日の午後1時前、ガラス張りの瀟洒(しょうしゃ)なビルから3人の男性が談笑しながら出てきた。

「今日の昼飯なんにする?」

そんな声が聞こえてきそうなのんびりした昼時。真ん中にいるのは、まぎれもない佐野研二郎氏(43)だった。

デニムのシャツとパンツにスニーカー。髪が若干伸びて少し太ったが、例の無精ひげも健在だ。

2015年7月、東京五輪のエンブレムが発表されるや、海外をも巻き込んだ「パクリ騒動」に発展する。

その後、佐野氏は公の場から姿を消し、一時は自殺説まで流れたことも。

4月から母校の多摩美術大学で教鞭を執るとの報道もあったが、それも立ち消えとなった。

同大の総務課によると、佐野氏自身から「一年間休職したい」と申し出があり、大学も受理したという。

住宅街の路地を歩くこと数分。大通りに出た3人はカレー専門店へ。表の看板に「マトンカレー800円」と大書きしてある。

約20分後、店を出てきたところで声をかけると笑顔で振り向く佐野氏。

だが、「FLASHです」と記者が身分を明かすと急に眉が曇った。

「取材は受けていないんです。すみません」
「マトンカレーを食べたんですか?」
「…はい」

消え入りそうな声で、それだけは答えたのだった。

(週刊FLASH 2016年3月29日号)