大幅安になっているのは日本株だけではない。株と同じように買えるETFの中にも3000円程度からの超お手軽価格で買えるほど安くなった銘柄がたくさんある。それがズバリ、原油、金、プラチナだ。こうした今が底のETFをNISAで今買って、気長に5年間保有して税金ゼロの儲けを狙ってみるのも手だ。

中東などの産油国が減産に入れば
原油価格は反発し他の商品も追随へ!

 ETF(指数連動型上場投資信託)は特定の指数に連動するように設計されており、普通の個別銘柄と同じように時価による売買が可能。しかも相場の全体的な動きを反映して推移するのでわかりやすく、1万円以下から買える点も魅力だ。

 株の場合、大幅に値下がりし、底値圏に到達しても「ここがイチバンの大底!」と決め打ちするのは実際なかなか困難だ。しかし、数千円という超少額から取引できるETFなら、複数回に分けて少しずつ“打診買い”を入れていく戦法が取りやすいといった利点もある。

「2015年は原油の低迷に伴って、コモディティ(商品市場)全般が大きく下落しました。かつてとは違い、金価格も独自の要因だけではなく、原油価格の影響も受けて推移しています」

 こう指摘するのは楽天証券経済研究所コモディティアナリストの吉田哲さん。裏返せば原油が反発すれば他の商品も追随する可能性が高いということになる。

「原油の供給過剰傾向は続くものの、WTI先物価格(原油の国際的指標)30ドル割れはあまりにも売られすぎ。当面の底値は25ドルと予想しますが、2016年は30〜50ドルを中心に上下すると考えています」(吉田さん)

 さらに、ここに来て中東諸国などでは減産に入るとの情報もちらほら。そうすると、まず狙っていきたいのが原油相場に連動するETFで、オススメは(NEXT FUNDS)NOMURA原油インデックス上場(1699)。3000円程度で買えるので、少額から原油相場の反発を狙うにはうってつけだ。

 さらに、原油価格の影響を受けやすい金のETFなら、純金上場信託(現物国内保管型)(1540)がオススメ。一定の条件で保有中のETFと金現物を交換できるようになっているので、純金積み立てのような感覚で、定期的に買い増していくのもいいだろう。

 もうひとつ、プラチナの現物と交換できるようになっている純プラチナ上場信託(現物国内保管型)(1541)にも注目したい。プラチナは自動車の排ガス除去の触媒としての利用が多いが、フォルクワーゲンの不正以降、価格が大幅下落。金融危機直後の水準まで価格は下がっており、今後、自動車向けのプラチナ需要の拡大とともに値上がりが期待できそうだ。

 企業業績が不透明な今は、こうした下げすぎの商品価格の中長期の回復による上昇を狙って、税金ゼロのNISAで気長に待つ絶好のチャンス。超少額から買えるので、挑戦してみてはいかがだろうか。