Windows 7/8.1の「Guestアカウント」は、ネットやアプリは自由に使えるが、他のユーザーデータにはアクセスできないので、他人にパソコンを貸すときには便利だ。
活用していたユーザーも多いのではないだろうか。
ところが、Windows 10では「Guestアカウント」がなくなった。
何とかならないか? ということで復活する方法を調べてみた。
●Windows 10にはGuestアカウントがない?
自分のパソコンを一時的に人に貸すとき、相手にWebの閲覧履歴を見られたり、重要なデータにアクセスされたりすると困る。そのような場合、Windows 7/8.1では「Guestアカウント」という便利なアカウントが利用できた。
Guestアカウントは、Windowsに最初から用意された組み込みアカウント(ビルトインアカウント)で、機能の制限されたローカルアカウントの一種だ。
コントロールパネルのユーザーアカウントで「Guestアカウント」を有効にすると、「Guest」という名前のパスワードなしのアカウントが作成される。
このGuestアカウントでログインすれば、インターネットやOfficeなどのアプリは問題なく利用できる。しかし、ほかのユーザーのデータにはアクセスできないので、安心して他人にパソコンを貸すことができるのだ。
ところが、Windows 10では、この「Guestアカウント」がなくなり、コントロールパネルからGuestアカウントを有効にすることができない。
Windows 10では、ローカルアカウントを作るのもけっこう面倒になっているので、マイクロソフトとしては、できるだけMicrosoftアカウントに移行しようという考えなのだろう。
とはいえ、これまでGuestアカウントを活用していた人にとっては迷惑な話だ。
というわけで、Windows 10でGuestアカウントを有効にする方法を調べたので紹介しよう。なお、使用したのは、Windows 10 Proだ。Windows 10 Homeでは、同様の設定はできなかった。
●「コンピューターの管理」でGuestアカウントを有効にする
方法はいくつかある。ここでは「コンピューターの管理」というツールを使って有効にする方法を説明する。
1.[スタート]ボタンを右クリックしてメニューを開き、[コンピューターの管理]を選択する。
2.コンピューターの管理ツールが起動したら、左側のツリーで[ローカルユーザーとグループ]の[ユーザー]を選択し、右側で[Guest]を右クリックし、メニューの[プロパティ]を選択する(Windows 10 Homeでは[ローカルユーザーとグループ]が表示されない)。
3.[Guestのプロパティ]ダイアログボックスが表示されたら、[アカウントを無効にする]のチェックを外して[OK]ボタンをクリックする。これで設定は完了だ。
4.スタートメニューの自分のアカウントをクリックすると、Guestアカウントが追加されていることが確認できる。選択すればGuestアカウントに切り替わる。また、Windows起動時にもGuestアカウントを選択できるようになる。
なお、Guestアカウントを再び無効にする場合は、コンピューターの管理ツールを起動して、手順3で[アカウントを無効にする]をチェックして[OK]ボタンをクリックする。
●コマンドプロンプトでGuestアカウントを有効にする
Guestアカウントの有効/無効は、コマンドプロンプトのコマンドラインでも実行できる。[スタート]ボタンを右クリックしてメニューを開き、[コマンドプロンプト(管理者)]を選択する。[ユーザーアカウント制御]のメッセージが表示されたら[はい]をクリックしてコマンドプロンプトを起動する。あとは、次のコマンドを実行するだけだ。
◆Guestアカウントを有効にする
net user guest /active:yes
◆Guestアカウントを無効にする
net user guest /active:no
●設定は自己責任で
なお、今回の原稿を書くために、実際にGuestアカウントを有効にしてみた。
するとなぜかWindows起動時の常駐ソフト起動画面が点滅して起動ができなくなるという問題が発生した。
幸い[Ctrl]+[Alt]+[Delete]キーを押し、表示された画面で[サインアウト]を選択して事なきを得た。
もしかすると、Windows 10でGuestアカウントがなくなったのには、何か技術的な理由があるのかもしれない(明確な理由までは調べきれなかった)。
また、Windows 10 ProではGuestアカウントを有効にできたが、Windows 10 Homeでは有効にできなかった。
というわけで、Guestアカウントの有効設定は自己責任ということでお願いしたい。
もしも、Guestアカウントでうまく動作しない場合は、任意の名前のローカルアカウントを1つ作っておくのもよいと思う。
井上健語(フリーランスライター)
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