香港メディア・大公網は21日、トヨタの高級車ブランド「レクサス」について、「日本での生産数を確保するために、トヨタが改めて中国生産を拒絶した」とする記事を掲載した。

 記事は、ベンツ、BMW、アウディ、ボルボといった欧米の高級車ブランドが中国生産を進める一方で、日本の高級車ブランドの「中国生産化」が遅れていると説明。6月に行われたトヨタの株式総会で豊田章男社長が「日本での生産が、トヨタに一定の競争力を持たせている」と語ったことを紹介した。

 そのうえで、高級車ブランド・レクサスの中国国内生産について、レクサス中国区の郎立新副総経理(副社長)が「工場建設には、所在国市場の状況や製品に対する消費者の理解など、さまざまな要素を総合的に考える必要がある」とし、中国での生産を実現するには工場の立地選択など解決しなければならない問題がなおも存在するため「現在のところ中国での生産計画はない」とコメントしたことを伝えた。

 記事は、中国生産を順調に進めているアウディ、ベンツ、BMWなどはその販売数も好調をキープしているとし、さらにインフィニティ、ランドローバー、ジャガーなど多くの高級車ブランドが中国での生産を開始しようとしていると紹介。そして、中国での「国産化」を実現させれば関税が下がり、販売価格に競争力を持たせることが可能になり、最終的には販売数に影響してくると論じた。

 一方、中国での高級車市場競争においてレクサスの優位性ははっきりしておらず、中国生産を開始して長い時間が経つドイツの3大メーカーと比べて、パッとしない状況であると伝えた。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)Ruslan Gilmanshin/123RF.COM)