●Amazonアプリでスキャンしまくる
Amazonのスマートフォンアプリがアップデートされ、「スキャン検索」機能が搭載された。アプリ内のカメラを起動して商品にかざすと、その商品が何なのかを即座にスキャンして商品ページへのリンクを作ってくれるらしい。
たとえば現物が目の前にあって、それをネットで買いたい場合、いちいちブラウザアプリを起動してAmazonを開いて商品の名前を打ち込んで……とやるのは面倒なので、カメラに映すだけで商品ページにアクセスできるなら確かに便利そうだ。買い物しないまでも、商品の詳細がパッとわかるだけで役立つだろう。ちなみにスキャンした商品がAmazonで売っていない場合は候補が表示されるか、あるいはリンク自体が作成されない。
そこでふと思ったのだけど、僕の部屋にある本の中にAmazonで買えないものは果たしてあるのだろうか。世界最大の書店であるAmazonにケンカを売ってみることにした。
スキャン検索は、Amazonのアプリを起動し、検索窓の右側にあるカメラアイコンをタップすれば使える。
ここに商品を映し出せばいいのだ。撮影するわけではないので、シャッターボタンなどはない。映すだけで認識してくれる。
とりあえず手近なところから見てみよう。手元にあった本をAmazonアプリのカメラに映してみると……おおっ、一瞬で認識した。ということは、この本は「Amazonで買える」ということになる。
この調子で、片っ端から調べてみよう。
いろいろと試してみたが、Amazonのカメラは一切の迷いなく次々と認識に成功していく。どれもこれも、ぜんぶAmazonの商品なのだ。うーん、Amazonで売ってない本はないものか。
●予想外のできごとが
思わずうなってしまったが、ここでちょっと予想外のできごとが。
何気なくスキャンした漫画の単行本が読み取れなかったのだ。え、何でだ? この本はそもそもAmazonで買ったんだけど。
不思議に思って普通に検索してみると、この漫画の6巻の表紙画像が登録されていなかった。なるほど、そういうことか。当たり前といえば当たり前だが、やはりAmazonは登録されている写真と照合してスキャンしているため、写真の登録がなければ認識できないのだ。
ふーむ。ということは、仮にAmazonのカメラでスキャンして出てこなくても、念のため検索してみないと、本当にAmazonで売っていないかどうかは確認できないことになるな……。
ちなみに「帯」がついた状態だとどうだろうと思ったら、これはほとんどの場合で正しく認識した。Amazonアプリ、隙がない。
その後も部屋の中の本を次々にスキャンさせていくが、すべて出てくる。大人の事情でここには出せないが、かなり古い本やマニアックな本もAmazonには売っていることが判明した。改めてAmazonの品揃えに驚かされる。
気まぐれに、本棚に挟まっていたクロッキー帳をスキャンしてみたら、普通に出てきた。
●ネタ枯れか
うーん、そろそろネタが尽きてきたぞ。
これだけ本があっても、Amazonで扱っていないものがひとつも出てこないなんて……。古本屋で一生懸命探した本がAmazonであっさり見つかるのは、ちょっとショックである。
どうにかAmazonに一泡吹かせてやれないかと蔵書を漁ってみたが、市販している本なら確実に売っている。Amazonアプリのスキャン検索が、その事実を一瞬で告げてくる。容赦ないぜ、まったく。
あきらめかけたそのとき、一冊の本が目に入ってきた。
そうだ! これならいけるんじゃないか!?
見つけたのは、数年前に知人が制作した同人誌「カムゴル!!」。……あまり詳細は語らないでおくが、さすがにこれはAmazonにもないのでは。
ワクワクしながらAmazonアプリのカメラでスキャンしてみると……。
思った通り、Amazonでは見つからなかった。念のために通常の検索もしてみたが、こちらも見つからず。
ついに、Amazonには売っていない本を発見することに成功したのだ!
……ちょっとずるい気がしないでもないが、これだってちゃんとした本である。一般に流通していないというだけだ。
普段はあまり意識していなかったが、こうやって一つひとつ確認していくと、いかにAmazonの品揃えがすさまじいかがよくわかる。でも、そんな中にもわずかながらAmazonで取り扱っていない本もあるのだ。そういう本を皆で持ち寄ってみると面白そうだなと思った。
「Amazonで買えない本縛り」の読書会とか、「Amazonでは買えない本ばかり買えるオンラインショップ」とかね。
(山田井ユウキ)