2015年3歳クラシック
【Sportivaオリジナル番付(牡馬編:第3弾)】

 いよいよ間近に迫ってきた春の牡馬クラシック(※)。皐月賞トライアルは、3月21日に若葉S(阪神・芝2000m)が、翌22日にスプリングS(中山・芝1800m)が開催された。さらに28日には、皐月賞"最終便"となる毎日杯(阪神・芝1800m)が行なわれた。
※皐月賞(4月19日/中山・芝2000m)、日本ダービー(5月31日/東京・芝2400m)。

 結果は、若葉Sが8頭立てのしんがり人気だったレッドソロモン(牡3歳/父メイショウサムソン)が快勝。スプリングSは、キタサンブラック(牡3歳/父ブラックタイド)が制して3連勝を飾った。そして毎日杯は、7番人気の1勝馬ミュゼエイリアン(牡3歳/父スクリーンヒーロー)が勝利。いずれも、皐月賞出走圏内の賞金を満たしていなかった面々が勝って、土壇場でクラシックの参戦切符を手にした(※レース後、若葉Sを勝ったレッドソロモンは脚部に不安を発症。皐月賞出走を回避)。

 獲得賞金による出走基準が上がって、例年に比べて"狭き門"と言われる3歳牡馬クラシック。今回は、上記の結果を踏まえて、そのシビアな戦いの行方を占う『Sportivaオリジナル番付(※)』を発表したい。
※『Sportivaオリジナル番付』とは、日刊スポーツの木南友輔記者、デイリー馬三郎の吉田順一記者、独特なデータを駆使するパソコン競馬ライターの市丸博司氏、フリーライターの土屋真光氏、Sportiva編集部競馬班の5者がそれぞれに、現時点における3歳牝馬・牡馬の実力を分析しランキング付け。さらに、そのランキングの1位を5点、2位を4点、3位を3点、4位を2点、5位を1点として、総合ポイントを集計したもの。

 今回は、2頭が同ポイントでトップに立った。前回(3月13日配信「弥生賞後に診断『2015年3歳牡馬ランキング』」)の1位で、世代唯一の重賞2勝馬であるサトノクラウン(牡3歳/父マルジュ)と、前々回(2月19日配信「2015年クラシックを占う『3歳馬ランキング』」)の1位から首位に返り咲いたリアルスティール(牡3歳/父ディープインパクト)だ。

 まず、堂々と1位の座を保持したサトノクラウンの評価は以下のとおり。

■吉田順一氏(デイリー馬三郎)
「サトノクラウンは、早めに仕掛けていって、最後まで伸び切った弥生賞のレースぶりが評価できます。パドックでは、前肢がスッと伸びて、それにともなってしっかりと後肢が深く入ってくる、柔軟性のある歩きを見せていました。気性的に舞い上がることなく、そのリズムのいい歩様(ほよう)にも好感が持てました。何にしても、追ってからの爆発力は世代ナンバー1と言えるでしょう」

■土屋真光氏(フリーライター)
「スプリングSで、既成勢力は一応の格好をつけましたが、逆に脆(もろ)さも見せてしまったように思います。そんな既成勢力からは、サトノクラウンを凌駕するほどの雰囲気がまったく伝わってきませんでした」

 前回2位に落ちたリアルスティールは、スプリングS(2着)における「負けて強し」という内容が評価されてポイントを上げた。

■木南友輔氏(日刊スポーツ)
「スプリングSはスローからの上がり勝負で、脚を余した印象。結果は2着でしたが、負けても評価を上げました。とにかく、福永祐一騎手がその素質を勝っている馬。コースを問わず、能力を発揮できる器用さは、皐月賞でも魅力です」

■吉田氏
「スプリングSは取りこぼしましたが、超スローペースの中、中団から外を回って、最後は勝ったキタサンブラックにクビ差まで詰め寄りました。まさに"負けて強し"の内容。また、敗戦のショックが残らない負け方で、無敗馬のプレッシャーからも解放される分、関係者にとっては、この敗戦が逆にプラスに働くかもしれませんね」

 3位は、大きくポイントを落としたものの、2歳王者のダノンプラチナ(牡3歳/父ディープインパクト)が、何とかキープした。

■木南氏
「2010年に牝馬三冠(桜花賞、オークス、秋華賞)を達成したアパパネと同じ、国枝栄厩舎&蛯名正義騎手というコンビなので、トライアルは取りこぼしそうな気がしました(※)。ともあれ、スプリングS3着という結果は及第点と言えるでしょう。一度使って、さらに良くなる印象を受けました」
※アパパネは、桜花賞トライアルのチューリップ賞で2着。秋華賞トライアルのローズSでは4着と、前哨戦では結果を残せなかった。

 4位も前回同様、ドゥラメンテ(牡3歳/父キングカメハメハ)。ここまで底を見せていないだけに、依然高い支持を集めている。

■木南氏
「荒削りな走りが魅力。5馬身差をつけて圧勝したセントポーリア賞(2月1日/東京・芝1800m)のパフォーマンスから、能力はGI級と見ています」

■吉田氏
「秘める脚力は世代トップクラス。スムーズな競馬ができれば、一発あっても不思議ありません」

 5位も、前回と同じ。弥生賞2着のブライトエンブレム(牡3歳/父ネオユニヴァース)がランクインした。

■市丸博司氏(パソコン競馬ライター)
「弥生賞では2着に敗れたものの、勝ったサトノクラウンよりも内容のある競馬を披露。指数(※)でもこの馬が最上位です。このまま人気の盲点であり続けてくれるなら、馬券的にはかなり面白い存在になるのではないでしょうか」
※市丸氏が独自に編み出したTF(タイムフィルター)指数。

 さて、惜しくもランクインはならなかったが、今回大きくポイントを伸ばしたのが、スプリングSの覇者キタサンブラックだ。

■市丸氏
「スプリングSのようなスローの展開になれば、この馬の先行力は脅威です。特に皐月賞では、軽視するのは禁物だと思います」

 前哨戦では、人気薄の馬たちが台頭した牡馬戦線。はたして本番の皐月賞も"大荒れ"となるのか、それとも、ここに挙げた有力馬たちが実力を示すのか。熾烈な争いから目が離せない。

text by Sportiva