2015年クラシック候補たち
【第8回:グレーターロンドン】

 皐月賞(4月19日/中山・芝2000m)、そして日本ダービー(5月31日/東京・芝2400m)へと続く、春の3歳牡馬クラシック。皐月賞の出走権をかけた争いはひと段落したが、その次に待つダービーに向けては、これから表舞台へと出てくる素質馬もいる。

 美浦トレーニングセンター(茨城県)の大竹正博厩舎に所属するグレーターロンドン(牡3歳/父ディープインパクト)も、ダービーへの参戦を目論む一頭だ。

 グレーターロンドンのキャリアは、わずか1戦1勝。まだデビュー戦を制したばかりの段階である。しかしその一戦は、同馬の高い能力を物語るものだった。

 3歳新馬(2月14日/東京・芝1600m)でデビューしたグレーターロンドン。圧倒的1番人気に推された同馬は、好位から直線で外に持ち出すと、ほとんど追うことなく先頭へ。そのまま楽々と白星をつかんでみせた。

 上がり3ハロン(ラスト600m)は、軽く流しながらも33秒7という好時計をマーク。デビュー勝ちのあと、大竹調教師は「現状では、不安が何もない」と自信のコメントを発した。

 いきなり素質の高さを知らしめたグレーターロンドンだが、デビュー前から同馬は「ダービーを意識する存在」として注目されていたという。関東競馬専門紙のトラックマンが、その理由を語る。

「もともとは、そこまで評価の高かった馬ではないんです。ただ、昨年12月頃から調教ですごいタイムを出すようになったんですね。それで、報道陣の間でも『あの馬は何物なんだ』と話題になったほど。デビュー戦でコンビを組んだ北村宏司騎手にしても、調教に乗ったときから、その走りを絶賛していましたしね」

 昨春、トレセンに入厩した当初は体も小さく、馬体重は400kgほどしかなかったという。その分、あまり目立つ存在ではなかったが、その後の成長には、目を見張るものはあったようだ。先述のトラックマンが続ける。

「1年のうちに馬体はどんどん大きくなって、昨年末の段階で馬体は470kgほどに増えていました(デビュー時は460kg)。それにつれて、競走能力も開花していきましたね。加えて、気性も従順な様子で、『距離が伸びても、折り合いに苦労する心配はなさそう』と、陣営は分析しています。今後は、山吹賞(4月4日/中山・芝2200m)を使って、ダービートライアルに向かう予定。3連勝でのダービー出走という可能性も十分にありますね」

 1600m戦でデビューしたグレーターロンドンは、次走で一気に距離延長を強いられる。しかし、初戦が1600mになったのは、デビューの延期や除外によって、使いたい距離のレースを使えなかったため。本来は2000m付近のレースでデビューさせる予定だっただけに、距離延長の心配はなさそうだ。

 もとより、グレーターロンドンの母は、1998年のGI桜花賞(阪神・芝1600m)で2着と健闘したロンドンブリッジ。彼女が産んだ初仔のダイワエルシエーロは、2004年のGIオークス(東京・芝2400m)を逃げ切って優勝した。グレーターロンドンは、オークス馬の弟に当たるわけで、距離が延びて、より強さを発揮してもおかしくない。

 そうした血統背景も加わって、ますます注目度が上がっているグレーターロンドン。陣営が期待する素質馬は、クラシック戦線の"新星"として、一段と輝きを増すことができるのか。遅れてきた大物が、夢舞台を見据えてまた一歩、歩を進めていく。

河合力●文 text by Kawai Chikara