ATSUSHIだけじゃない…芸能人は“スピ信仰”になぜハマる?

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 EXILEのボーカル・ATSUSHI(34)が謎の「生体エネルギー」にハマっていると発売中の『週刊文春』(文藝春秋)に報じられ、一部ファンの間で動揺が広がっている。

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超高額の謎の装置購入、スタッフも巻き込む奇行

 生体エネルギーとは「情報と情報をつなぐ力」「すべての命を励起するエネルギー」だといい、一般的には疑似科学の一つとされる。つまりは眉唾モノのスピリチュアルなのだが、その理論に基づいた製品を開発・販売している「生体システム実践研究会」と「生体エネルギー研究所」にATSUSHIが心酔し、何千万円もの大金をつぎ込んでいるという。

 記事によると、EXILEが所属する事務所のビルはワンフロアがATSUSHI専用になっているが、その奥の小部屋には生体エネルギーを応用して電気の質を向上させる「電気誘導翻訳装置」なる機械が3台あるという。この装置、ネット上の販売サイトでは高い機種で200万円以上もする。しかもCDの製造工場にまで同装置を搬入して「質の高い電気」でプレスさせているというから驚きだ。

 また、いつも携帯しているスーツケースには謎のアンテナや機械が入っており、水を飲むときも生体エネルギーの商品である木のコースターを使用するという。生体エネルギーの浄水器もあり、その水をスプレーでスタッフの食事に吹きかけるという奇行も目撃されているようだ。

 ATSUSHIは2006年に喉のポリープ手術を受けており、それをきっかけにスピリチュアル志向が高まり、生体エネルギーを信奉するようになってしまったという。

メンバーやスタッフは困惑で孤立状態に?

 2013年4月にATSUSHIは自身の半生を綴ったエッセイ集『天音。』(幻冬舎)を発売しているが、生体エネルギー研究所が販売している製品にはズバリそのまま「天音」という装置がある。ただの偶然とは考えにくく、ATSUSHIの心酔ぶりを裏付ける証拠といえそうだ。

 この「天音」は携帯電話の充電器とコンセントをつなぎ、装置を通じて電磁波を軽減させたり、使用者の生命力を活性化する効果があるという。現在はスマホに対応した「天音S」が販売され、この装置で充電したスマホは自分だけでなく通話・メールの相手にも生命の活性化やストレス軽減などの作用があるとか。

 一万歩譲って「天音S」で充電したスマホに何らかの効果があるとしても、電話の相手にまで影響があるのはトンデモ理論すぎるだろう。記事には「天音S」の分解リポートが掲載されているが、つくりはシンプルで基盤に8の字が印刷されているくらいしか変わったところはなく、原価は300円ほどと推察されている。ネットショップで「天音S」は約5万円で販売されているのだが……。

 ATSUSHIの信奉ぶりにメンバーや事務所スタッフは困惑。リーダーのHIRO(45)に至っては「木のコースターを投げ捨てたこともあった」というほど嫌がっているようだが、ATSUSHIは意に介さずハマリ続けているという。このままではグループ内で孤立してしまう危険性があり、脱退や独立などといった事態に発展することもあり得そうだ。

芸能人はなぜ「スピリチュアル」に傾倒するのか

 こうしたケースで思い出されるのは元オセロ・中島知子(43)の「洗脳騒動」。怪しげなスピリチュアルにハマってしまう芸能人は意外と多い。

 女優の藤原紀香(43)は風水建築デザイナーに心酔し、その助言に従って陣内智則(41)との結婚を決めたとされる。「浮気防止のために夫に赤いパンツを履かせなさい」という教えを守っていた紀香だが、結果は陣内の浮気で離婚となった。一部メディアでは、運気が上がるというアクセサリーや置物をスタッフらに販売したとして「霊感商法疑惑」と書き立てられたことも。

 歌手のUA(43)はホメオパシーに傾倒。ホメオパシーは欧州生まれの代替療法でスピリチュアルな人々の間でもてはやされているが、日本学術会議で「科学的根拠は皆無で荒唐無稽」と断じられている。だが、UAは夫がハチに刺されてアナフィラキシーショックになった際にホメオパシーで治したと雑誌のインタビューで主張。たまたま自然に治ったからいいようなものの、一歩間違えれば夫の命にかかわっていたと世間のヒンシュクを買った。

 なぜ芸能人たちは、あからさまに怪しいモノにハマってしまうのだろうか。

「人気商売は不安定ですから、精神的に弱いタイプは心のより処を求めるようになる。ATSUSHIのように、歌手の命である喉を痛めた時などはなおさら。昔は宗教にハマる芸能人が多かったのですが、スピリチュアルも根本的には同じ。耳触りのいい言葉を並べられると、弱った心の隙間にスッと入りこんできてしまう」(芸能関係者)

 お金と知名度のある芸能人は何かと狙われやすい。広告塔にされることで、さらなる被害者を増やしてしまうこともある。精神の安定剤にする程度なら問題ないが、スピリチュアルにハマり過ぎるのは困りものだ。

(取材・文/夢野京太郎)

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