2015年3歳クラシック
【Sportivaオリジナル番付(第3回:牝馬編)】

 いよいよ間近に迫ってきたクラシック。その本番を前にして、3月15日には桜花賞(4月12日/阪神・芝1600m)トライアルのフィリーズレビュー(阪神・芝1400m)が、3月21日には桜花賞への最終切符となるフラワーC(中山・芝1800m)が開催された。

 結果は、フィリーズレビューがクイーンズリング(父マンハッタンカフェ)、フラワーCがアルビアーノ(父ハーランスホリデイ)と、それぞれ無敗馬が3連勝を飾った。これによって、ルージュバック(父マンハッタンカフェ)、キャットコイン(父ステイゴールド)と合わせ、3戦3勝馬が4頭。今年の3歳牝馬は、超ハイレベルな世代と言える。

 一方で、昨年末のGI阪神ジュベナイルフィリーズ(以下、阪神JF。12月14日/阪神・芝1600m)の勝ち馬、ショウナンアデラ(父ディープインパクト)が故障して戦線離脱。本番を目前にして、勢力図は一気に変わりそうだ。

 今回は、上記の結果と経過を踏まえて、3歳牝馬クラッシクを占う『Sportivaオリジナル番付(※)』を発表したい。
※『Sportivaオリジナル番付』とは、日刊スポーツの木南友輔記者、デイリー馬三郎の吉田順一記者、独特なデータを駆使するパソコン競馬ライターの市丸博司氏、フリーライターの土屋真光氏、Sportiva編集部競馬班の5者がそれぞれに、現時点における3歳牝馬・牡馬の実力を分析しランキング付け。さらに、そのランキングの1位を5点、2位を4点、3位を3点、4位を2点、5位を1点として、総合ポイントを集計したもの。

 1位は、ルージュバック。前回(3月12日配信「チューリップ賞後の『3歳牝馬ランキング』」)同様の高ポイントで、新興勢力の登場にも左右されることなく、不動のトップをキープした。

■吉田順一氏(デイリー馬三郎)
「父のマンハッタンカフェ同様に胴長&脚長の体形ですが、長くて適度にクッション性のあるつなぎ(※)が、ダイナミックな走りを生み出している。負けん気の強さがありながらも、自分を見失わずに鞍上の指示に従順。無敗馬は相次いで登場していますが、個人的にはこの馬の"一強"と見ています」
※蹄(ひづめ)から球節の間の部分

■木南友輔氏(日刊スポーツ)
「きさらぎ賞1着(2月8日/京都・芝1800m)から追われる立場となり、桜花賞へ直行というローテションも厳しい状況に映るかもしれませんが、この馬が今年のクラシック戦線の"主役"であることは変わりません」

■土屋真光氏(フリーライター)
「きさらぎ賞で2着に退けたポルトドートウィユ(牡3歳)が、若葉S(3月21日/阪神・芝2000m)で凡走(4着)。そのため、きさらぎ賞を改めて見直しましたが、完全に下手を打った感のある若葉Sに対して、きさらぎ賞でのポルトドートウィユは力を出し切ってのものでした。それを一蹴した能力は、やはり一級品でしょう」

 2位も前回同様、ココロノアイ(父ステイゴールド)がキープ。好メンバーのそろったチューリップ賞(3月7日/阪神・芝1600m)の勝利は、やはりポイントが高い。

■市丸博司氏(パソコン競馬ライター)
「チューリップ賞以降のトライアルを振り返ってみて、まずアネモネS(3月14日/中山・芝1600m)は明らかにレベルが低かった。フィリーズレビューもチューリップ賞より、ややレベルが落ちるレースでした。フラワーCも後方の馬が力を発揮できないレースとなって、勝ち馬が指数(※)を伸ばせませんでした。そうしたことから、ルージュバック、ココロノアイ、クイーンズリングの"3強"の様相で、中でもココロノアイは、チューリップ賞の内容から上位だと見ます」
※市丸氏が独自に編み出したTF(タイムフィルター)指数。

■吉田順一氏
「チューリップ賞では、馬体と気性面の成長が感じられました。パドックでは推進力のある運びを見せて、よく伸びる前肢にしっかりとトモがついていったのは、成長の証でしょう。課題はスタートですが、栗東トレセン(滋賀県)滞在の効果でさらなる成長を期待します」

 3位には、前回はランキング圏外だったクイーンズリングが返り咲き。フィリーズレビューの勝利で大きくランクアップした。

■市丸博司氏
「フィリーズレビューは、チューリップ賞より『ややレベルが落ちるレース』と言いましたが、勝ったクイーンズリングだけは大外を回って、ケタ違いの瞬発力を見せました。大幅に馬体重を減らしながらも(20kg減)、体つきはガレたような感じもなく、もしかすると、今までが太かっただけなのかもしれません。ならば、相当な器である可能性があります」

■木南友輔氏
「初コンビとなったM・デムーロ騎手も高く評価。好位からの競馬ではなく、後方待機の戦法で結果を出した点からも、非凡なレースセンス、圧倒的な能力がうかがい知れました。懸念材料となるのは、中山で2戦、阪神の内回りと、長い直線を経験していないことぐらい」

 4位は、フラワーCを快勝したアルビアーノが初のランクイン。桜花賞には出走せず、NHKマイルC(5月10日/東京・芝1600m)に向かうようだが、その実力からして、3歳牝馬ランキングからは外せない。

■木南友輔氏
「年明けに美浦トレセン(茨城県)で目にしたときから気にしてきた馬。2勝目の内容からフラワーCの勝ちっぷりは予想どおりでしたし、馬格があって絶対能力は相当なものだと思います」

■土屋真光氏
「フラワーCは、単騎逃げの展開が恵まれた、という見方もありますが、むしろ先行力のある馬にペースを引っ張ってもらったほうが、この馬の真価が発揮できると思います」

 5位は、アンドリエッテ(父ディープインパクト)。前回から順位はひとつ下がったものの、ポイントは1点プラスされ、同馬の評価は上がっていると見ていいだろう。

■吉田順一氏
「チューリップ賞では流れに乗れず、道中、ジョッキーが何度もバランスを崩して大きく位置取りを下げながらも、2着まで追い込んできた内容には頭が下がります。暖かくなって、野芝の発育がよくなると、馬場は軽くなり、高速化へと進みます。桜花賞の週は、まさにその傾向。軽い芝なら、一発の魅力が十分にあります」

 さて、新興勢力に押し出される形で、今回ランク落ちしたレッツゴードンキ(父キングカメハメハ)だが、土屋氏の高評価は変わらない。また、3戦3勝馬で唯一圏外のキャットコインについては、木南氏が同馬の能力の高さを買っている。

■土屋真光氏
「レッツゴードンキは、クラシックで1着に突き抜けるほどのパンチ力は感じませんが、常に上位争いには加わっていきそう。チューリップ賞(3着)でも、本番に向けて何かを試したような走りで、決して力負けだとは思いません」

■木南友輔氏
「母の半弟がゼンノロブロイという良血のキャットコイン。何度見直してみても、初戦のゴール前、前の馬を捕まえにいくときの勝負根性が強烈です。(気性面で課題の多い)ステイゴールド産駒の牝馬で3戦無敗という成績も、かつてないものですよ」

 牝馬クラシック第1弾となる桜花賞。激戦ムードが漂う中、無敗の女王が誕生するのか、はたまた思わぬ伏兵馬が台頭するのか、決戦の日が待ち遠しい。

text by Sportiva