インタビュー:植田真梨恵「時代を超えて残るラヴソングを」
――すでに2月25日にアルバム『はなしはそれからだ』がリリースされていますが、反応は如何ですか?
植田:全力を尽くしたつもりでも、出る前夜まで、意識の外で怖かったんですよ。なるべくシンプルで、何回も繰り返し聴いてもらえるような後味の軽いもの、でも、しっかり内容が詰まってる、おいしいもの、というのを念頭に置いて作ったんです。今、本来の旨味とは別で、合成着色料でしっかり色を後付けしたような曲が溢れているような感覚があって。そういう流れの中で、シンプルゆえに聴いた人にとって、味気なかったらどうしよう?ってすごく思ってたんですよ。だけど、思いのほか「ちゃんと届きました」とか「通勤中ずっと繰り返し聴いてます」という声を沢山もらって、すごく嬉しかったですね。
植田:『hanamoge』『a girl』『ペースト』『さよならのかわりに記憶を消した』とかはインディーズの頃に書いていて。『ペースト』や『hanamoge』は今回初出しなんですけど、ライブでずっと大事にしてきた曲たちも今回、収録しているんです。その頃に作った曲は他にもあるんですけど、今回のアルバムは歌だけで、どれだけシンプルに伝わるかをテーマにしているので、それに合う曲を選びました。その上で、足りない部分もあったので、何曲か書き足して。メジャーデビュー以降、こういう信念で書いてる曲が半分ぐらいなので、テーマに沿っているものを集めたという感覚ですね。
――自分で作詞・作曲ができても、他の方から楽曲提供を受けるアーティストもいますが、植田さんは作曲に対するこだわりが強い印象を受けています。
植田:植田真梨恵がやるからには、ひたすら細部までこだわると思うんですけど、新たに第三者の作曲家の方がいるのであれば、その人のこだわりに任せるだけだと思います。いい音楽が生まれるために必要であれば、私よりも皆さんの心に響くメロディを書ける作曲家さんの歌を歌った方がいいと思うし、私の曲を好きだと言ってくださる人がいれば、私はずっと書きますし。曲を作ること自体はすごく好きなんですけど、求められなくなれば、わざわざ出さなくてもいいかなと思うんです。でも、ずっと作りはすると思います。そもそも私は歌い手に憧れていた部分が大きいので、どなたかが楽曲提供しますと言ってくださったら、めちゃくちゃ歌いたいですし、好きな作詞家さんとか、共鳴するものがあれば、やらせてもらいたいなと思っているので。
――それはインディーズ時代から現在に至るまで、変わらずですか?
植田:そうですね。曲を書き始めた時、誰も書いてくれないと思ってたし(笑)。
――その割に、今まで一度も楽曲提供を受けたことないですよね。
植田:いや、たまたま機会が無くて(笑)。だって、提供してくれないんだもん!
――それは、頼まないからですよね(笑)。
植田:そうなんですか!? 頼んだ方がいいんですかね?
――あぁ、頼んでもないのに勝手にオファーが殺到的な。
植田:「植田さんに歌って欲しい!」とか「植田さんに合うと思うから、今回この作曲家さんの曲を歌いましょう」とかいうお話は多分なかったと思うので。そういう機会があれば、私はめちゃやりたいです。
――いいメロディを作り続けることに対するプレッシャーは無いですか?
植田:産みの苦しみは、以前よりもかなり減りました。ずっと憶えていられるような、胸にくるメロディを作りたいなと常に思っていて。単純に今、私の中に無いものを出そうとは思っていないので、ただ私が持っている、一番ベストな、これがいいと思えるような楽曲をちゃんと突き詰めていけたらなと思いながら作っていますね。テーマさえ、ある程度見えてきたら、気分が乗れば作れるんですけど、気分が乗るまでが…。
――乗せるためには、どうすれば?
植田:散歩しますね、それが一番いいなぁ。