2015年春以降の日本株を引っ張る 5大テーマ(人手不足、高ブランド、TPP推進、 農業再生、株主還元)とその有望株とは?

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上昇トレンドに入った日本株の今後の本格的な上昇を引っ張る銘柄とは? 2月に入りインバウンド(訪日外国人の消費)などが話題となった日本株市場だが、こうした銘柄には過熱感が見え始めた今、これからはどんなテーマが有望なのか? 今注目のこれから株価を押し上げるテーマと関連株をチョイスした。

インバウンドから次のテーマに目を移せ!
国内回帰の製造業のサポートで稼ぐ企業とは?

 製造業の国内回帰が鮮明になっている。経済産業省が2014年末に行なった調査では、海外に工場を持つ738社のうち、約100社がすでに国内に一部の生産を戻したと回答した。今後もシャープ(6753)やパナソニック(6752)、ダイキン(6367)、TDK(6762)、オムロン(6645)などが製造ラインの一部を徐々に国内に移管する予定だ。

 国内向け製品も海外で作って日本に逆輸入していたのだが、円安の定着や中国などの人件費が上がり、採算が悪化したためだ。

 とはいえ日本は空前の人手不足。そこで注目したいのが、産業用ロボット。すでにファナック(6954)や安川電機(6506)などのロボットメーカーの株価は堅調な勢いだ。また、UTホールディングス(2146)やフルキャストHDなど、製造業への人材派遣を行なっている企業にも注目が集まっている。

◆「人手不足」で恩恵を受ける有望株ベスト7 
銘柄名 株価
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1 フルキャストHD(4848)
2 コマツ(6301)
3 ファナック(6954)
4 川崎重工業(7012)
5 安川電機(6506)
6 CYBERDYNE(7779)
7 UTホールディングス(2146)

ブランドの強さを武器にコストの
価格転嫁に成功した企業も買い

 円安は原材料の高騰をもたらし、食品メーカーなどが春から製品価格の値上げに踏み切っている。こうした中、ブランド力が強い製品は値上げをしても売上げが落ちないため、利益率が向上する。こうした製品を持つ企業も「買い」だ。

◆「高ブランド」で恩恵を受ける有望株ベスト7 
銘柄名 株価
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1 ヤクルト本社(2267)
2 ユニ・チャーム(8113)
3 ファーストリテイリング(9983)
4 明治HD(2269)
5 サントリー食品インターナショナル(2587)
6 味の素(2802)
7 森永乳業(2264)

 また、4月下旬から安倍首相が訪米し、オバマ大統領と会談する予定と伝えられている。この時の「お土産」は、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)の推進。TPPによる関税撤廃、さらには安倍内閣が進める農業再生を先取りする形で農業に参入した大手スーパーやコンビニなどにスポットライトが当たる。

◆「TPP推進」で恩恵を受ける有望株ベスト7 
銘柄名 株価
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1 丸紅(8002)
2 日清製粉グループ本社(2002)
3 日清食品HD(2897)
4 デンソー(6902)
5 いすゞ自動車(7202)
6 日野自動車(7205)
7 吉野屋HD(9861)
◆「農業再生」で恩恵を受ける有望株ベスト7 
銘柄名 株価
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1 ワタミ(7522)
2 イオン(8267)
3 セブン&アイHD(3382)
4 ローソン(2651)
5 クボタ(6326)
6 カゴメ(2811)
7 井関農機(6310)

 増配、自社株買い、優待の新設など、企業の株主重視の姿勢に変化はない。この部分にも引き続き注目していく必要がありそうだ。

◆「株主還元」で恩恵を受ける有望株ベスト7 
銘柄名 株価
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1 積水ハウス(1928)
2 カカクコム(2371)
3 富士フィルムHD(4901)
4 ブリヂストン(5108)
5 キヤノン(7751)
6 ユニ・チャーム(8113)
7 TDK(6762)

 ところで、3月20日発売のダイヤモンド・ザイ5月号には、3カ月に一度の「買っていい×買ってはいけない人気株500激辛診断」が掲載されている。人気の500銘柄をビギナーにもわかりやすい表現でズバッと売り・買いを判定している。各銘柄には今回紹介した関連テーマのマークも付いており、テーマ株探しにもピッタリの誌面となっている。また、この号には、証券口座選びから、注文の仕方、そして高配当、高ROE、PER、PBRの仕組みと使い方を大図解で解説した「入門!日本株」の大特集と割高・割安が一目でわかる「日経平均&上場全3577銘柄の最新理論株価」も掲載されている。日本株の上昇にしっかりとついていくための銘柄選びにダイヤモンド・ザイ5月号を役立ててほしい。