ドイツの国民的喜劇俳優ディーター・ハラーフォルデン

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オリンピックで金メダルを獲得した伝説のランナーが、70歳を超えてからベルリンマラソンにする姿を描いたドイツ映画「陽だまりハウスでマラソンを」が3月21日公開する。国民的喜劇俳優として知られ、本作で22年ぶりに映画主演、78歳という史上最高齢でドイツ映画祭最優秀主演男優賞を受賞したディーター・ハラーフォルデンが作品を語った。(写真・取材・文:浦江由美子)

妻の病気をきっかけに、娘の希望で夫婦で老人ホームに入居することになったパウルは、メルボルンオリンピックで金メダルを獲得した伝説のマラソンランナー。70歳を超えても健康なパウルは、老人向けのレクリエーションや規則にとらわれる施設の方針に耐えられず、ベルリンマラソンに挑戦することを決断する。

本作への出演を決めた理由は、脚本に大きく共感したからだそう。「主人公パウル・アヴァホーフの人生哲学は私とかなり近いものだったのです。止まってしまったら、負けてしまう。転んでも必ず立ち上がる。何事もあきらめないで、何かのゴールを持つこと。他の人に任せない。人生の後半、3分の4くらいになっても他人に自分のことを委ねないということです。どんな運命で、どんなことが起ころうと、自分の意思で生きていくということです」

撮影のために9キロ減量し、マラソンにも初挑戦。年齢にとらわれず、走る事を通して自らの意志を貫き通す主人公を熱演した。「ベルリンマラソンの日の撮影は特に大変でした。1つ目は長距離のテンポを保つこと。2つ目がカメラマンが大勢の中で走っているパウルを見つけること。3つ目に他のまわりのランナーが私に気づかないことです。とにかく、何度も撮り直しがありました。つらかったのは同じ道程を何度も走らされたことです。でも、最後にはスタジアムで観客の皆さんがとても満足して喜んでくれました」と振り返る。

近年のマラソンブームについては「走りたいという欲求は健康的なことかと思います。しかし、時には身体が危険信号を出したりしますね。ゴールを高いところに持って行きすぎない方が良いかと思います。境界線を超えるという意志も理解できます。私は仕事だから走ったわけですけれど、気をつけないと。自分への挑戦ということでは、マラソンよりも他の分野でもっと成功できるという選択肢もあります。とにかく、健康には充分に注意してください」と自身の経験を通して冷静にアドバイスする。

最後に、日本の観客に向けてメッセージを寄せてくれた。「日本のお客さんが映画を見て残念がったり、お金を溝に捨てたと思われなければいいんですけれど。というのも、この映画はギブアップしない、立ち止まらない、ゴールを目指して出来る限りのことをするという人生のやる気の話ですから。日本人はゴールを目指して、すごくエネルギーでいっぱいでチャレンジすると聞きます。これと言って目新しいことではないかもしれませんが、こうした人生の戦いは他の国に住んでいても同じだということをこの映画を通して、伝えたいですね」

「陽だまりハウスでマラソンを」は3月21日、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開。

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