乗客からは「ガラガラ」報告相次いだが・・・

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「初日だけれど車内はガラガラ」「開業直後とは思えないほどすいてる」――。開業したばかりの北陸新幹線だが、空席が目立つ車内写真が相次いでツイッターに投稿された。

一方、管轄するJR東・西は両社とも乗客数が大幅に伸びたとデータを発表し、「好評だった」と振り返る。いったいどうしてだろうか。

「今3人席を1人で座ってる笑」

東京から金沢を直通する北陸新幹線は、長野新幹線を金沢まで延伸する形で2015年3月14日、開業した。上越妙高を境界に、高崎までをJR東が、金沢までをJR西が管轄する。開業前後は新聞やテレビなどが大きく取り上げ、北陸3県のにぎわいを伝えていた。

しかしツイッターを見ると、空席ばかりの車内写真を多くの人が投稿している。

「意外にガラガラ、空いてます」
「今3人席を1人で座ってる笑」

と、メディアの盛り上がりとは裏腹な実態が浮き彫りになった。ちょうど講演会で北陸を訪れた前宮崎県知事の東国原英夫さんも、

「僕が見る限りガラガラ。ちょっとびっくり! 多くの人々はどうやら見物客らしい」

と報告。乗車したグリーン車には秘書とほか1人がいただけだったという。あまりの空席は話題を集め、ツイッターで「北陸新幹線」を検索すると、「ガラガラ」「空席」が予測ワードに出てきてしまうほどだ。

一方、JR東・西が18日、それぞれ発表した開業3日間の速報データでは、景気のいい数字が並ぶ。JR東の高崎〜軽井沢間は前年比185%の約4万7900人(1日平均)、JR西の上越妙高〜糸魚川間は在来線特急「はくたか・北越」との比較で前年比306%の約8万4000人(3日間合計)が利用したという。

JR西の真鍋精志社長は18日の会見で、

「前年と比べると同区間で3倍以上の利用があり、3日間の合計では8万4000人に利用いただいた。大変好調なスタートが切れたのではないかと思っています」

と胸を張った。

乗車率は東57%、西48%

とはいえ、両社の広報担当によると、3日間の平均乗車率は東57%、西48%にとどまる。18席限定の最上級グランクラスでも利用状況はともに80%台だ。

土日のピーク時を除くとガラガラの車両が生まれるのも当然で、乗客から「こんなので大丈夫なのかな?」と心配の声すら上がるのも納得だ。ではなぜ、両社とも「好評だった」と3日間を振り返っているのか。

両社が上げたのは、輸送力の大幅な増加だ。北陸新幹線は停車駅の少ない「かがやき」が1日10本、上越妙高や新高岡に止まる「はくたか」は14本、それぞれ東京〜金沢間を往復する。単純比較はできないが、開業に合わせて廃止された、越後湯沢から金沢などを1日13往復していた在来線特急「はくたか」に比べると大きく本数が増えている。

車両数も6両または9両編成だった在来線特急「はくたか」に比べて、北陸新幹線は12両編成になった。本数が増え、1本あたりのキャパシティーも増えたのだから、空いているのは当然だ、という見解だ。

乗車率が低く、空席が目立ったことについて両社は、「(54%の)山陽新幹線と比べてもいい数字。100%になるように編成を短くすることもできるが、繁忙期や土日祝日を考えるとそれぐらいの容量がないといけない」(JR西・真鍋社長)、「本数が増えたことで、お客さまに多くの選択肢を示せている」(JR東・広報担当)と気にしていないようだ。