写真は農林水産省HPより

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 週刊新潮で報じられた六本木の「不倫路チュー」で一躍、別の意味での時の人となった故・中川昭一元財務相夫人の中川郁子農水政務官。その中川政務官の選挙区、北海道11区では、今回の不倫騒動に端を発し早くも次の総選挙の候補をめぐり、水面下で激しい攻防戦が勃発しつつある。

「今回の嫁の騒動では昭一さんも、昭一さんのお父さん元農水相、一郎さんも、お墓の下で泣いている。郁子は所詮よそ者だからね。中川家に泥を塗った。だからあいつが最初、選挙に立つと言った時は、我々の間でも意見が真二つに分かれた。俺は反対した。しかし、俺は息子が出るならいざ知らず、次の選挙はもう応援しない。だが次の選挙も中川郁子は出馬すると思うよ。以前から息子が被選挙権を得るまではと言っていたから」

 と激昂するのは中川郁子衆院議員の地元、帯広市での中川後援会幹部のA氏だ。

次の選挙では石川知裕氏がカムバックか

 中川家の歴史はまさに激動の歴史だ。

 中川昭一氏の父親、中川一郎元農水相の自殺から後を継いだ昭一氏。要職を次々とこなし総理の芽も出ていた。だが09年、麻生内閣で氏が財務大臣当時、G7の中央銀行総裁会議がイタリアで開かれる。

 が、この会議後、酩酊しているかのような記者会見。それが各メディアで猛バッシング。中川氏は「睡眠薬の服用」などと釈明を行う。「ワインの中に薬を盛られた」陰謀説まで出回った。結局、大臣職を辞職することになる。

 これが契機で中川氏は、その年の選挙で民主の石川知裕氏に敗れる。そして、その年さらに、急性心筋梗塞で56歳の若さで急逝。その時、中川家は崩壊したかと言われる。

 しかし郁子夫人は次の選挙に弔い合戦と称して出馬、「非業代議士妻」を粛々と演じ、選挙民のハートを鷲掴み。夫を1万8000票差で破った石川氏に逆に1万6000票差をつけ選挙区で勝ち、昨年の総選挙でも当選。

 それが一転、門博文代議士との不倫で「悪女」「悪妻」論が沸騰、窮地に立たされた。そして地元では、早くも次の選挙での候補者のさや当てが始まったのだ。先のAさんは言う。

「石川は陸山会事件で公民権が停止されている。だが、公民権停止があければ次は必ず出馬すると言っている。公民権停止があけるのは2年後の9月。その頃、次の選挙が行われる可能性が高い。その時、郁子と石川だったら次は石川が勝つ可能性が大きくなった」

 別の有権者Bさんは、こう言う。

「昭一さんの息子は今年慶応を卒業して商社に入るというから22歳。次の選挙に被選挙権があるかどうかギリギリ。だから次の選挙は郁子vs石川になり、その次の選挙で中川の息子が出馬すれば、また弔い合戦になる。だが、そこまで中川家の威光が続くかだ。自民が新候補を擁立する可能性もある」

 中川郁子自身がやっと一個一個積み上げてきた中川家の石。それを、今度は自分で崩してしまった。まるで賽の河原の石積みのようだ。中川家の春はまた冬に逆戻りか。石川家は再び春の兆しが見えてきたのか。

 中川家の後援者の声が悲痛だ。

「もっと大物議員との恋愛ならまだしも、関西の陣笠議員、それも比例の議員だよ。情けない」

田村建雄(たむらたてお)1950年生まれ。地方新聞記者から週刊誌記者に。現在は月刊誌、夕刊紙などに政治、事件記事など寄稿。著書に『ドキュメント外国人犯罪』『中国人毒婦の告白』など多数。