2015年3歳クラシック
■Sportivaオリジナル番付(第2回:牝馬編)

 2015年クラシックのトライアル戦がスタート。3月7日には、桜花賞(4月12日/阪神・芝1600m)トライアルのチューリップ賞(阪神・芝1600m)が開催された。

 本番の桜花賞と同じ舞台で行なわれ、牝馬クラシック戦線を占うキーレースとして注目を集める同レース。結果は、年末のGI阪神ジュベナイルフィリーズ(以下、阪神JF。12月14日/阪神・芝1600m)3着のココロノアイ(牝3歳/父ステイゴールド)が勝利を飾った。以下、2着には伏兵のアンドリエッテ(牝3歳/父ディープインパクト)、3着には阪神JF2着のレッツゴードンキ(牝3歳/父キングカメハメハ)が入った。

 今回は、その結果を受けての、3歳牝馬クラシックを占う『Sportivaオリジナル番付(※)』を発表したい。
※『Sportivaオリジナル番付』とは、日刊スポーツの木南友輔記者、デイリー馬三郎の吉田順一記者、独特なデータを駆使するパソコン競馬ライターの市丸博司氏、フリーライターの土屋真光氏、Sportiva編集部競馬班の5者がそれぞれに、現時点における3歳牝馬・牡馬の実力を分析しランキング付け。さらに、そのランキングの1位を5点、2位を4点、3位を3点、4位を2点、5位を1点として、総合ポイントを集計したもの。

 1位は、ルージュバック(牝3歳/父マンハッタンカフェ)。ポイントはひとつ落としたものの、前回のランキング(2月19日配信「2015年クラシックを占う『3歳馬ランキング』」)と変わらず、首位の座を守った。有力牡馬を相手に重賞のきさらぎ賞(2月8日/京都・芝1800m)を制した実力は、「揺るがない」とする声が多かった。

木南友輔氏(日刊スポーツ)
「百日草特別(1着。11月9日/東京・芝2000m)、きさらぎ賞の結果から、もはや世代トップレベルの馬であることは疑いようがないです」

吉田順一氏(デイリー馬三郎)
「きさらぎ賞では、一発回答で課題(右回り、長距離輸送、休み明け)をクリア。しかも、余裕を持って春のクラシックに向かえるアドバンテージが大きい。闘争本能がありながらも、自由自在に競馬ができるタイプ。よほどの逸材が出てこない限りは、この世代の牝馬NO1の称号は譲らないでしょう」

土屋真光氏(フリーライター)
「牡馬相手に1600mを超える距離で重賞を勝つのは、実力がある証。多頭数でのゴチャつく競馬と、桜花賞で一瞬の切れ勝負になったときは、やや不安があるものの、現状で凡走することは考えられない」

 2位以下は、ガラッと順位が変動。チューリップ賞の上位馬がそろって評価を上げた。特にココロノアイは、前回のランキングでは誰もその名を挙げていなかったが、チューリップ賞の勝利によって一気に2番手にランクアップした。

市丸博司氏(パソコン競馬ライター)
「重馬場が味方したとも考えられますが、チューリップ賞で好内容だったココロノアイが指数(※)を伸ばし、(自身のランキングでは)現在の1位。(前回1位にした)ルージュバックは、トライアルを使わないため、指数を伸ばすチャンスがなく、2番手評価となりました」
※市丸氏が独自に編み出したTF(タイムフィルター)指数。

吉田氏
「チューリップ賞で馬体と気性面の成長が感じられた。極悪馬場だったため、今後の参考になるかは微妙ですが、それでも我慢して競馬ができたことは大きな収穫と言えます」

土屋氏
「外から追い込んだ2着アンドリエッテの末脚が際立っているように見えましたが、ココロノアイの上がりタイムと大きな差はありませんでした。そういう意味では、ココロノアイのほうが、自力で動いて、終(しま)いもきっちりまとめた分、価値は大きいと思います」

 3位は、ショウナンアデラ(牝3歳/父ディープインパクト)。前回からはひとつランクを下げたが、阪神JFを制した2歳女王の貫録を示した。

土屋氏
「阪神JFで2、3着に下した2頭(レッツゴードンキ、ココロノアイ)がチューリップ賞で好走。その比較から考えての上位評価です。どの位置からでも競馬ができるのも大きな武器」

木南氏
「阪神JFは、届きそうにない位置からの差し切りV。着差以上の完勝でした。さらに、チューリップ賞の結果から阪神JFのレベルの高さが証明されたと思います。体質や気性面など課題は多いものの、新馬戦を取りこぼした以外は完勝続き。アユサン(2013年桜花賞馬)、ダノンシャーク(牡7歳。2014年マイルCS制覇)など、下河辺牧場生産のディープインパクト産駒には成功例が多いのも魅力」

 4位は2頭。チューリップ賞2着のアンドリエッテと、3着レッツゴードンキが圏外からランクインした。

吉田氏
「アンドリエッテは、ディープインパクト産駒らしい小柄な馬ですが、長めのつなぎ(※)でクッション性が抜群。馬体のバランスがすごくいい。一生懸命走る気性で、次走ではその反動が出る恐れもありますが、軽い芝でこそ、より真価を発揮できるタイプ。うまく調整できれば、一発の魅力を秘めています」
※蹄(ひづめ)から球節の間の部分

市丸氏
「前回は、穴馬的存在としたアンドリエッテ。しかし、チューリップ賞で2着と好走し、自らの評価が間違ってなかったと確信しました。(自身の)ランクは4位のままですが、上位を食う"穴馬"の素質は十分にあります」

土屋氏
「レッツゴードンキの順位を、前回4位からひとつ上げました。阪神JFは2着も、勝ちに等しい内容でした。チューリップ賞では、本来の脚質とは異なる逃げる形になって、しかも先行馬総崩れの中、3着に粘り込みました。これが、いいガス抜きになって、本番(桜花賞)を迎えられそう」

 また、総合ランキングでは圏外となったが、アルビアーノ(牝3歳/父ハーランスホリデイ)を木南氏が、ミッキークイーン(牝3歳/父ディープインパクト)を本誌競馬班が、それぞれ3番手という高い評価を与えている。

木南氏
「年明けデビューのアルビアーノですが、厩舎の評価が高く、現在2戦2勝。新馬戦の逃げ切り勝ちは想定内でしたが、同日の準オープンと差のない時計で逃げ切った500万特別(1着。2月15日/東京・芝1400m)の内容がとにかく優秀で、予想を上回るものでした。桜花賞を狙うのか、NHKマイルC路線に進むのか微妙ですが、目が離せない存在です」

本誌競馬班
「チューリップ賞2着のアンドリエッテ(クイーンC4着)を物差しにすれば、クイーンC(2月14日/東京・芝1600m)上位陣の評価を上げざるを得ません。とりわけ、スムーズさを欠きながら、強烈な末脚を見せて2着に入ったミッキークイーンに食指が動きます。血統背景も魅力」

 さて、このあと牝馬路線のトライアルは、3月14日にアネモネS(中山・芝1600m)、3月15日にGIIフィリーズレビュー(阪神・芝1400m)が開催される。そして、桜花賞最終便となるGIIIフラワーC(中山・芝1800m)が3月21日に行なわれる。次回は、この3レースの結果を踏まえて、牝馬クラシックに向けた最終ランキングを発表する予定だ。

text by Sportiva