米林宏昌監督

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「借りぐらしのアリエッティ」「思い出のマーニー」で知られるスタジオジブリの米林宏昌監督が3月7日、東京・三鷹市芸術文化センターで行われた「アニメーション古今東西 その12」の講演会に出席。約1時間にわたり、作品に込めた思いや次回作への意気込みを語った。

同イベントは、三鷹の森ジブリ美術館が厳選したアニメを上映。この日は「思い出のマーニー」が上映され、第38回日本アカデミー賞で優秀アニメーション賞を受賞した同作に対し、観客から惜しみない拍手が送られた。3月19日に韓国、5月にアメリカでの公開を控えており、米林監督はその反響の大きさに相好を崩していた。

「思い出のマーニー」は、心に痛みを抱える主人公アンナの成長と解放を、マーニーとの交流や湿地などの自然を通じ導いていくだけに、風景描写には特に強いこだわりがあるという。「湿地にいて風を受けたり、靴下を脱いで水に足を踏み入れたりする感覚全てがアンナの心の成長、回復に役に立っていると描かなければいけない。地味だけど難しいアニメーション。アニメーターが頑張ってくれてできたんだと思います」とほほ笑む。そして、「幻想と現実世界を行ったり来たりする物語になるだろうと思っていて、幻想の部分は美しく理想化された世界に描いて、現実の部分はリアルに存在感のあるように描く作品のスタイルだった。それを(美術監督の)種田陽平さんにお伝えして、描いてもらっていました」と説明した。

自身が影響を受けた作品に話題が及ぶと、ジブリ入社前に鑑賞した「耳をすませば」に感動したと語る。「近藤喜文監督の初監督作品で、スタッフも当時の原画マンがなったばかりだった。それが画面に出ているんですね。そのフレッシュな感じが見ていて面白くて、こういうものを作る会社だったら入りたいなと思った。『アリエッティ』にも、その影響を強く受けていると思います」と振り返った。

さらに「次回作については?」と問われると、「全然わからないですね、でもまた作りたいとは思っています。アイディアを考え始めたところで、今の段階では何も話せないですね」と回答。それでも、「『思い出のマーニー』は“静”の作品で、それはそれでやりがいがある仕事で幸せだった」と前置きしたうえで、「(画に動きがある)『崖の上のポニョ』なんか好きで、アニメーターとしてそういうものもやりたい。『マーニー』とは逆の作品をやりたいなと思っている」と次回作への意気込みを明かしていた。

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