舞台挨拶に出席した岸部一徳(左)と柄本明

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個性派俳優・岸部一徳らプロの俳優や監督と、京都造形芸術大学の学生がタッグを組んで製作した映画「正しく生きる」が3月7日、東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで公開初日を迎え、岸部をはじめ、共演の柄本明、同大学の学生キャスト、福岡芳穂監督らが舞台挨拶に出席した。

岸部は、全てが学生主導で製作された今作に出演した感想を「みんな一生懸命やっている。僕も長いことこういう仕事やってきて、『何にも芝居しない人だな』なんて言われたりしていましたけど、やっぱり(芝居を)やっているんだなと(笑)」と振り返った。さらに、「意外と自分って見えないもの。彼らとやってみて、(自分には)余計なことが身についているなと気付いたりもした。それが面白いところでした」と語った。

プライベートでも岸部と親交が深いという柄本は「サリーとは長いんですけど」と岸部を愛称で呼んで会場の笑いを誘い、「仕事はほとんどしたことない。今作が今までで1番親密にやったんだけど、なんだかねえ。逆に恥ずかしい」と大照れ。しかし、この日の柄本が着用したジャケットは岸部の劇中衣装であることを明かし、「一徳さんが『着たらくれる』って言うんで着ました」とニンマリ。「こんな関係なので新しい発見はないんですけど(笑)、尊敬しています」と付け加えていた。

ベテラン俳優陣と共演した学生のキャストの水本佳奈子は、「全力でぶつかっていこうと思った。私のつたない芝居を受け止めてくれて、私もこういう芝居がしたいと思った」と最敬礼。学生キャストたちは、「劇場公開されると思うと嬉しい」「やっとこの日が来た」と感無量の面持ちで挨拶した。

福岡監督は「企画から宣伝までずっと学生とやってきました。薄っぺらい主義や主張を押し付ける映画ではなくて、(観客)おひとりおひとりが何かを見つけて頂ける作品になっていると思う」と胸を張る。さらに、「学生に『作るだけで終わりじゃない。見て頂いて初めて映画が成立する』と言っていますので、今日の初日を彼らとともに迎えられたのは非常に感慨深いと思います」と観客に感謝を込めて語っていた。

ほか、宮崎将、宇野祥平、大森立嗣、青山理紗、上川周作、杉本瑞季、浜島正法、宮里紀一郎が出席した。映画は大災害に見舞われた日本のとある都市を舞台に、様々な問題を抱えた人々が困難の中でひたむきに生きる姿を描く群像劇。岸部は、放射性物質を用いた作品を制作してテロを画策する芸術家を演じた。

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