さて、福永の騎乗ぶりは概して消極的。思い切った乗り方をしない。追いだしてからのパンチにも欠ける。その証拠に、前めで決まることの多いダートでの連対率(14年・2割7分8厘)は芝のそれ(14年・3割2分8厘)に比べ、ガクンと落ちる。1月18日、京都12レースのフミノファルコンのように、単勝1倍台の人気を集めながら5着に敗れたのが最近の例だ。

 エージェントの力もあって毎年好成績を収めているにもかかわらず、意外に信用がおけない。それが福永だと言えよう。

 福永ほどではないが、ここぞという場面で馬券を買うのを躊躇する騎手もいる。まずは東から、23年間続けてきた年間50勝記録が昨年とだえてしまった田中勝春(43)の騎乗をチェックしてみよう。ベテランのトラックマンが嘆息する。

「最近は、年間100勝以上していたことが信じられないほど追ってからの迫力がなく、惜しくも届かずというレースが増えてきた。社台グループがクラシック出走を夢みているエミネスクで小差の4着を繰り返しているのが、そのいい例でしょう。2番人気に推された1月24日の若竹賞(500万下)などは相手との関係からしても勝っていいレースでしたが、取りこぼした。こう連続して勝利を逃すと、乗り替わりがあるかもしれません」

 事実、みずから競馬を教え込んでオープン入りを果たしたトロワボヌールも、昨年12月3日の交流重賞、クイーン賞(GIII)を前に、戸崎圭太(34)に乗り替わられてしまった。結果は1着。残念ながら競馬ファンだけでなく、競馬関係者からも信頼を失いかけているのが現状なのだ。

 08年に新人最多勝記録を更新した三浦皇成(25)も、今やあまりアテにはできない。「河野通文厩舎に所属していた08〜09年時代がいちばん勢いがあった」と評価を下げているのだ。

 その原因の一つに、単勝回収率の低さがある。14年は68.63%で、関東リーディング9位。写真判定になった15回のレースで4回しか勝てなかったように、腕力自慢のわりには勝負弱い。

「昨年のGIでハナ差負けが2回あるんです。NHKマイルカップのタガノブルグと、安田記念のグランプリボス。17番人気馬と16番人気馬だからよく走らせたと言っていいんですが、なぜかゴール前では相手のハナが出ている。この勝負運のなさ、単勝で勝負できない騎手は買いづらいですよね。エアハリファに騎乗した2月1日の根岸ステークス(GIII)では1番人気に応えて勝ちましたが、角居勝彦調教師は、中団まで馬を下げた騎乗ぶりをほめてはいなかった。あれは馬の力で勝ったようなもの。次のフェブラリーステークス(GI・2月22日)で結果を出さないかぎり、ファンも信用しないでしょう」(スポーツ紙・レース部デスク)