【2015年3歳クラシック】
Sportivaオリジナル番付(第1回)

 2015年春のクラシックが迫ってきた。牝馬戦線は4月12日に桜花賞(阪神・芝1600m)、5月24日にオークス(東京・芝2400m)が、牡馬戦線は4月19日に皐月賞(中山・芝2000m)、5月31日に日本ダービー(東京・芝2400m)が、それぞれ開催される。

 これからは本番へのトライアル戦がいよいよ本格化していくが、ここまでの戦いを振り返ってみても、クラシックに臨む主力候補たちがおぼろげながら見え始めている。そこでSportivaでは、クラシック本番で勝つ可能性の高い、3歳牝馬と3歳牡馬、それぞれの番付(ランキング)を識者の意見をもとに作成してみた。

 今回、番付作成に協力してくれたメンバーは、日刊スポーツの木南友輔記者、デイリー馬三郎の吉田順一記者、独特なデータを駆使する競馬ライターの市丸博司氏、フリーの競馬ライター土屋真光氏。そこにSportiva編集部競馬班も加わって、5者がそれぞれに、現時点における3歳牝馬・牡馬の実力を分析しランキング付け。さらに、そのランキングの1位を5点、2位を4点、3位を3点、4位を2点、5位を1点として、総合ポイントを集計し「オリジナル番付」を作成した。今後も主なトライアル戦終了後に、その時点における番付を発表していく予定だ。

 さて、第1回目の結果だが、牡馬の番付は表のようになった。

 今年はここまで、オープン以上のレースを2勝している馬が不在。"これ"という抜けた存在も見当たらず、牡馬戦線は混戦模様である。トライアルが終了した頃になれば、もう少し勢力図もはっきりとしたものになるかもしれないが、今は対戦成績も少ないことから一長一短という印象だ。実際、右表のとおり、番付作成メンバーの意見も割れた。

 そんな中、総合的に評価が高かったのは、1戦1勝で挑んだ共同通信杯(2月15日/東京・芝1800m)を快勝したリアルスティール(牡3歳)だ。新馬勝ちからの重賞制覇というのは、2歳戦ではしばしば見られるが、3歳の重賞戦、それもクラシックとの関連が深い共同通信杯では極めて稀(まれ)なこと。そうした点が、高評価につながったようだ。同馬を1位とした木南記者は、春のクラシック二冠の可能性さえも示唆する。

「新馬戦快勝後は、共同通信杯に絞って結果を出しました。今後は、一戦使って4戦目に皐月賞、5戦目でダービーの予定。父ディープインパクト×母父ストームキャットという相性のいい配合で、昨春注目を浴びた全兄ラングレー(牡4歳)よりも力強く、スケールの大きさも感じさせます。広いコースでこそのタイプで、ダービーが最も合いそうですが、能力の違いで皐月賞制覇もあるのではないでしょうか」

 リアルスティールに1ポイント差で続くのが、朝日杯フューチュリティS(2014年12月21日/阪神・芝1600m)を制し、2歳王者に輝いたダノンプラチナ(牡3歳)だ。実力馬が能力を発揮しやすく、紛れの少ない阪神コースでG1を勝ったことを、誰もが素直に評価していた。市丸氏は「3頭を1位としましたが......」と前置きしたうえで、こう語った。

「他の2頭は3歳時のレースぶりが高い指数を示しているのですが、ダノンプラチナの指数は2歳時のレースのもの。それでも、依然トップの指数をキープしているところが評価できます」

 3位のドゥラメンテ(牡3歳)は、未勝利戦(2014年11月8日/東京・芝1800m)、500万下のセントポーリア賞(2月1日/東京・芝1800m)と、それぞれ6馬身差、5馬身差の圧勝劇を披露。共同通信杯でも1位リアルスティールの2着に粘ったことが、全メンバーから支持された。

 4位のシャイニングレイ(牡3歳)は、リアルスティールと同じく2戦2勝。2戦目で、粒ぞろいのメンバーがそろった重賞のホープフルS(2014年12月28日/中山・芝2000m)を制した。このシャイニングレイを高く評価するのは、吉田記者だ。

「リアルスティールとの評価は甲乙つけ難いところですが、シャイニングレイを上と見ます。気性はかなり前向きですが、それでいて操縦性が高く、現状では折り合い面での心配もありません。さらに、現代競馬に必要な行き脚があって、流れに左右されず、好位で競馬ができるのも強み。パドックでは他の馬をビビらすほどの威圧感があって、言うなれば"ボスの資質"を秘めていることもポイントになります」

 5位は、ポルトドートウィユ(牡3歳)。きさらぎ賞(2月8日/京都・芝1800m)では、牝馬のルージュバックに先着を許したものの、話題の良血馬たちが集結したレースで2着と好走した点が買われたようだ。

 一方、牝馬は大方の予想どおり、前述のきさらぎ賞で有力牡馬を蹴散らしたルージュバック(牝3歳)が、満場一致で1位の評価を得た。

「500万下の百日草特別(2014年11月9日/東京・芝2000m)、きさらぎ賞と、牡馬相手に快勝。その内容からして、もはや世代トップレベルの馬であることは疑いようがありません。母ジンジャーパンチは、アメリカでGIをいくつも制した名牝。個人的には、コンパクトな馬体からアメリカ競馬譲りの"本物感"を感じています」(木南記者)

「骨っぽい相手が集まったきさらぎ賞を、完璧な立ち回りで勝利。長距離輸送、初の右回りという課題も一発でクリアしました。長めのつなぎ(蹄〈ひづめ〉から球節の間の部分)はクッション性があり、相当なスピード持続力を秘めています。広いコースで戦っている間は、欠点らしい欠点も見当たらず、二冠(桜花賞、オークス)達成は濃厚じゃないですか」(吉田記者)

 市丸氏は、「今のところは、2歳女王のショウナンアデラ(牝3歳)との差はわずか」と手放しで称えることはなかったが、それでもルージュバックの最上位評価は変わらなかった。

 2位は、その市丸氏がルージュバックと同等の評価を与えるショウナンアデラが、3位はオープン特別のエルフィンS(2月7日/京都・芝1600m)を完勝した良血クルミナル(牝3歳)が入った。4位以下は混戦となったが、クイーンC(2月14日/東京・芝1600m)を3戦全勝で制したキャットコイン(牝3歳)が4位、2戦2勝のクイーンズリング(牝3歳)が5位となった。

 何にしても、牝馬路線はルージュバックが中心。同馬を脅かす存在が本番までに出てくるかどうかに注目が集まりそうだ。

text by Sportiva