2015年クラシック候補たち
【第2回:アダムスブリッジ】

 例年1月に行なわれる3歳馬のオープン戦、若駒S(京都・芝2000m)。同レースはクラシックとの関わりが深く、2005年に三冠(皐月賞、ダービー、菊花賞)を達成したディープインパクトや、2009年の皐月賞を制したアンライバルドなどが、過去の勝ち馬に名を連ねている。そして今年もまた、楽しみな一頭が若駒Sで勝ち名乗りを上げた。

 栗東トレーニングセンター(滋賀県)の石坂正厩舎に所属する、アダムスブリッジ(牡3歳/父ゼンノロブロイ)だ。

 アダムスブリッジは、昨年12月6日の2歳新馬(阪神・芝2000m)を快勝。2戦目に挑んだのが、年が明け1月24日に行なわれた若駒Sだった。

 レースでは、スタートで出遅れ。スローペースを馬群から離れた最後方から追走する厳しい展開となった。だが、直線に入ると、馬群を割って猛進。ラスト600mを33.3秒でまとめる素晴らしい切れ味を見せて、デビュー戦からの2連勝を飾った。

 若駒Sを終えて、陣営のアダムスブリッジに対する評価は、当然のごとく高まっているという。関西競馬専門誌のトラックマンがその仔細を伝える。

「デビュー戦は勝ち時計が遅く、陣営も半信半疑だったようです。しかし、2戦目の若駒Sで見せた瞬発力には感嘆していましたね。同馬の兄は、2011年のGIIIラジオNIKKEI杯2歳S(阪神・芝2000m)を制したアダムスピーク(牡6歳/父ディープインパクト)ですが、その兄よりも『ずっと切れそうだ』と話しています。レースで見せる勝負根性についても、陣営はかなり評価していましたね」

 兄のアダムスピークも、クラシックの有力候補に数えられ、一冠目の皐月賞(中山・芝2000m)に出走した。しかし、結果は18着と大敗を喫した。同じ石坂厩舎の管理する弟アダムスブリッジには、その兄が果たせなかったタイトル奪取への期待がかかっている。

「若駒Sのあと、アダムスブリッジは蹄(ひづめ)の状態が少し悪くなったようですが、陣営によれば『それほど重いものではない』とのこと。今後は、3月21日の若葉S(阪神・芝2000m)をステップにして、4月19日の皐月賞に向かう予定です。前走で見せた出遅れや、まだ経験したことのない多頭数の激しいレースなど、課題はいくつかありますが、それらを克服することができれば、クラシックでも相当面白い存在になると思いますよ」

 かつて、名馬たちが躍動した若駒Sで素質の高さを見せたアダムスブリッジ。陣営でさえ驚きを隠せなかったという瞬発力を武器に、兄が苦汁をなめた3歳クラシックで頂点を狙う。

河合力●文 text by Kawai Chikara