ついにジブリ超えか?映画「花とアリス殺人事件」の作成方法はディズニーも使った100年前の技術と最新技術のハイブリッドだった

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日本で代表するアニメは?と聞かれて、多くの人が「ジブリ映画」と答えることだろう。
しかしながら、ジブリを超えるかもしれない作品が「花とアリス殺人事件」だ。

もともと「花とアリス」というのは、2003年にチョコレート菓子の「キットカット日本発売30周年」を記念して作成された短編のWebドラマだった。さらに翌年には、実写映画版となる「花とアリス」が封切られた。

それから10年を経て登場したアニメーション長編映画となる「花とアリス殺人事件」は、2004年に劇場公開された「花とアリス」の前日譚となるそうだ。

実は、「花とアリス殺人事件」誕生の経緯もさることなら、その作成テクノロジーがすごかったのだ。

●2つの技法を取り入れることで実写とアニメを融合させた
「花とアリス殺人事件」で使われた技法は大きく分けて2つある。

・プレスコ
日本のアニメでは一般的にはアフレコ(アフターレコーディング)といい、先にアニメを作成したのちに声を入れる作業をする。
しかし、プレスコはその逆だ。
先に声を入れる演技を作った後に、それに合わせるようにアニメを作成するという。声をベースにするために、通常よりも手間のかかる技法だと言われている。

・ロトスコープ
こちらは、さらに手間のかかる作業だ。「花とアリス殺人事件」公式Facebookページによると、
1・岩井監督の手書きによる絵コンテ作成
2・それをベースに実写を撮影
3・撮影した実写をベースにアニメを作成
というもの。
つまり、アニメ映画を作る過程で、実写映画を1本撮っているようなものである。

なお、この技法自体は古くから存在し、最初は今から100年近くまえの1919年、アメリカで開発された。そしてディズニーの「白雪姫」(1937年)にも使われた技法なのだ。

●費用のかかるロトスコープを実現させたのは21世紀の3DCG技術だった
実はこの「ロトスコープ」という技法は費用がかかることでも有名なのだ。
アニメを作成する前に、役者を使って1回映画を作成するのと、ほぼ同じなのだ。
さらに、その実写を見ながら1コマずつ作成していく。時間も手間も非常にかかる技法となっている。しかしながら、それを解決するのが3GCG技術だった。

3GCG技術であれば、修正や配置など、手描きに比べると格段の作業効率を得ることができる。そうした古来のものと、最新の技術のハイブリッドによって作成されたのが「花とアリス殺人事件」と言えよう。

●岩井監督の熱意が込められた敢えてのアニメ化
この「花とアリス殺人事件」はもともと2003年のWebドラマ、2004年の実写映画が元になっている。
2月9日放送の「PON!」(日本テレビ系列)によると、監督の岩井氏いわく、「花とアリス」は10年前に主演を演じた蒼井優と鈴木杏でなければいけないという強い想いがあったそうだ。しかしながら、10年という歳月が経った今は、2人が女子高生役をするわけにはいけない。
そこで、アニメ化とすることにしたそうなのだ。

実際のところ、主人公の声は当時の実写版で主人公をしていた2人が演じている。そう、10年前の名作が、100年近くまえの技法と最新の3DCGで蘇ることとなるのだ。

映画「花とアリス殺人事件」は2月20日(金)より全国ロードショーを予定している。

花とアリス殺人事件公式サイト
布施 繁樹